“過失”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あやまち65.9%
かしつ8.5%
あやまり6.1%
あやま4.9%
くわしつ2.4%
そそう2.4%
えゝまち1.2%
おちど1.2%
せい1.2%
そさう1.2%
つみ1.2%
ておち1.2%
まちがい1.2%
エラー1.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「これがどんなことになるでせう、親分。彌惣は矢張り過失あやまちで死んだのでせうか、それにしちや櫃の蓋が重過ぎると思ふんですが——」
なぜというに、わたしがこんなにたびたび不幸な目に会うのは、みんな自分の過失かしつから来ると思って、反省はんせいするようになったからである。
若気の過失あやまり、やがての後悔、正面、あなたと向い合っては、慙愧ざんきのいたりなんですが、私ばかりではありません。
白花の朝顔 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
飼い馴れている鷹であるから、本来逃げる筈のものではないが、彼女の姿を見ると、鷹もいかるのであった。過失あやまちのもとは、そこにあった。
夕顔の門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
もつと便たよりよきはとしこそつたれ、大根だいこんく、屋根やねく、みづめばこめく、達者たつしやなればと、この老僕おやぢえらんだのが、おほいなる過失くわしつになつた。
雪の翼 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
いつぞやおなべ伊万里いまり刺身皿さしみざらの箱を落して、十人前ちゃんとそろっていたものを、毀したり傷物にしたり一ツも満足の物の無いようにしました時、そばで見ていらしって、過失そそうだから仕方がないわ
太郎坊 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
過失えゝまちだものあとなんちつたつてやうあるもんぢやねえ」とひとりりきんだ。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
しかしてたとへばしとやかなる淑女が、心におそるゝことなけれど、他人ひと過失おちどをたゞ聞くのみにてはぢらふごとく 三一—三三
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
凡夫の悲しさ、源はその日のことを馬の過失せいにして、さんざんに当り散した。丁度、罪人をむちうつ獄卒のように、残酷な性質を顕したのです。馬に何の罪があろう。
藁草履 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
自分の過失そさうを棚へ上げて狂犬呼ばゝりは怪しからぬはなしだ。加之しかも大切な生命いのちを軽卒にるとは飛んでもない万物の霊だ。
犬物語 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
もしあなたの御存じの誰方どなたかゞ苦しんだり、過失つみを犯してゐらつしやるのなら、人間以上の高いところにそれを償ふべき力と癒すべき慰藉を求めさすやうにしてお上げなさいまし。
小櫻姫様こざくらひめさま、どうぞ若様わかさま生命いのちりとめてくださいませ……。わたくし過失ておち大切だいじ若様わかさまなせてしまっては、ドーあってもこのながらえてられませぬ。
一体みんなが乃公の事を悪い悪いという理由わけが分らない。何人だれだって過失まちがいをする。私共は神様じゃないから過失の無い訳には行きませんて牧師さえ言っている。
いたずら小僧日記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
背後うしろからアダリーを引抱えて、横に突き退けようとしたが、これが私の大きな過失エラーであった。
冥土行進曲 (新字新仮名) / 夢野久作(著)