“過般”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いつか22.2%
かはん16.7%
こなひだ16.7%
こねえだ11.1%
いつぞや5.6%
くわはん5.6%
こないだ5.6%
このあいだ5.6%
このあひだ5.6%
さきごろ5.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
店へ来る客の中に、過般いつか真桑瓜まくわうりを丸ごとかじりながら入つた田舎者いなかものと、それから帰りがけに酒反吐さけへどをついた紳士があつた。
蠅を憎む記 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
過般かはん来朝したジョルダン博士は、昔は農民の上に貴族がまたがってこれにむちうち、今は農民の上に兵士が跨り
世界平和の趨勢 (新字新仮名) / 大隈重信(著)
僕は、五月の總選擧以前に六頁に擴張しようと考へてるんだが、社長初め、別段不賛成が無い樣だ。過般こなひだ見積書も作つて見たんだがね、六頁にして、帶廣のアノ新聞を
病院の窓 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
御寝所の縁の下などへへいる奴があるだ、過般こねえだも私がすうと出たら魂消たまげやアがって、つらか横っ腹か何所どっか打ったら、犬う見たようにようよう這上ったから
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
この時の容貌は、過般いつぞや深川の橋の上で、女中に取巻かれて火を避けたのを愛吉が見たそれのごとく、ほとんど侵すべからざる、威厳のあるものであった。
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
過般くわはん篠田長二除名の騒擾さうぜうありし以来、信徒の心を離れ離れとなりて、日常つね例会あつまりもはかばかしからず、信徒の希望のぞみなる基督降誕祭クリスマスさへきはめて寂蓼せきれうなりし程なれば
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
過般こないだ宴会えんかいの席で頓狂とんきょう雛妓おしゃくめが、あなたのお頭顱つむりとかけてお恰好かっこう紅絹もみきますよ、というから、その心はと聞いたら、地がいて赤く見えますと云って笑いころげたが
太郎坊 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
昔からこの刻限を利用して、魔の居るのを実験する、方法があると云ったようなことを過般このあいだなかちょうで怪談会の夜中に沼田ぬまたさんが話をされたのを、例の「膝摩ひざさすり」とか「本叩ほんたたき」といったもので。
一寸怪 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
或人に連れられて過般このあひだ蓬莱屋へまゐりましたが、お傳といふ女からきゝました一分始終、いやどうも此方の棟梁は違つたもの、えらいもの、男児は左様あり度と感服いたしました
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
過般さきごろ治安維持法の改正の時にも新聞・雑誌の多くは反対であった。国をくつがえし、国家を滅すことをくわだつる者に極刑を加えることがなぜ悪いのかわが輩には判らない。