“苟”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いやしく39.1%
いやし37.8%
かりそ8.7%
かりそめ3.9%
いや3.9%
かり2.2%
まこと1.7%
いやしくも0.4%
か0.4%
かりそめに0.4%
そもそ0.4%
イヤシク0.4%
マコトニ0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
苟(いやしく)も歴史家たる身分に負(そむ)かないやうに、公平無私にその話をするだらうと云ふことには、恐らくは誰一人疑を挾(さしはさ)むものはあるまい。
十三時 (新字旧仮名) / エドガー・アラン・ポー(著)
これ必ずしも意外ならず、苟(いやし)くも吾が宮の如く美きを、目あり心あるものの誰(たれ)かは恋ひざらん。独(ひと)り怪しとも怪きは隆三の意(こころ)なる哉(かな)。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
第十八条 礼儀作法は、敬愛の意を表する人間交際上の要具なれば、苟(かりそ)めにも之を忽(ゆるがせ)にす可らず。只(ただ)その過不及(かふきゅう)なきを要するのみ。
修身要領 (新字旧仮名) / 福沢諭吉、慶應義塾(著)
苟(かりそめ)にも主(ぬし)ある人の妻(もの)から艶書を持って来て返事をやるような文治と心得て居(お)るか、何(なん)の為に文治の所へ来て居る、汝(わりゃ)ア畳の上じゃア死(しね)ねえから
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
苟(いや)しくも棟梁といわれる大工さん、それが出来ないという話はない、漆喰の塗り下で小舞貫を切ってとんとんと打っていけば雑作(ぞうさ)もなかろう。
裁判官が苟(かり)にも一人の人間を死刑に処した後の気持は、貴方も十分に御承知でしょう。誰だって『あれが万一無実の罪であったら何(ど)うしよう』
自責 (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
だからこそ、殷の湯王の盤の銘にも、「苟(まこと)に日に新たに、日日に新たに、日に又新たなり」とあるではありませんか。
論語物語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
彼徒(かのと)は之(これ)を寛仮すること能(あた)はず、不得已(やむをえず)斬殺に及びしものなり。其壮烈果敢、桜田の挙にも可比較(ひかくすべし)。是(この)故(ゆゑ)に苟(いやしくも)有義気(ぎきある)者、愉快と称せざるはなし。抑如此(そも/\かくのごとき)事変は、下情の壅塞(ようそく)せるより起る。
津下四郎左衛門 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
自分の処女性を誇りとしている彼女は、苟(か)りにも純潔でないものは悉(ことごと)く嫌った。肉の機能というものは、人間ばかりでなく、獣をも堕落させる悪魔の道具としか思えなかった。
老嬢と猫 (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
演(や)る方もよく心得て、匹夫下郎の真似はしながらも、苟(かりそめに)も惟任将軍というみえとはらとを忘れちゃならねえ。
大菩薩峠:35 胆吹の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
それで私達ばかり承知しているようで、変に思召すのも御無理はございません。苟(そもそ)もの始まりは七月、いや、八月、いや、矢張り七月末でした。
脱線息子 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
「勇将ハ死ヲ怯(オク)レテ苟(イヤシク)モ免レズ——という。今日こそは龐徳の死ぬ日と覚えた。ご辺も末代まで汚名をのこされるなよ」
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
湯王の沐浴盤の銘には「毎日なんじを完全に新たにせよ、それを再び、さらに再び、永久にくりかえせ(苟(マコトニ)日新、日々新、又日新)」