“まこと”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
30.0%
12.6%
9.5%
9.0%
真実8.5%
7.5%
4.8%
2.9%
2.0%
眞實1.8%
真事1.1%
誠実1.0%
真情0.6%
真理0.6%
0.5%
0.4%
事実0.4%
信実0.4%
0.4%
真個0.3%
誠意0.3%
実在0.3%
0.3%
眞理0.3%
真心0.3%
真相0.3%
0.3%
誠實0.3%
0.1%
実情0.1%
0.1%
赤心0.1%
事實0.1%
0.1%
0.1%
信實0.1%
実事0.1%
実正0.1%
実相0.1%
実際0.1%
實事0.1%
心洵0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
本質0.1%
0.1%
現實0.1%
0.1%
0.1%
眞事0.1%
眞心0.1%
眞成0.1%
眞正0.1%
真正0.1%
真箇0.1%
至誠0.1%
誠心0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それほど衰弱のはげしい時にですら、わざわざとこんな道経どうきょうめいた文句を写す余裕が心にあったのは、今から考えてもまことに愉快である。
思い出す事など (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
まことくんだって、なくすやい。昨日きのううわぐつをかたっぽおとしてきて、おかあさんにしかられていたから。」と、しょうちゃんはいいました。
ボールの行方 (新字新仮名) / 小川未明(著)
まことに自由であり複雑であったが、感心のことには井上嘉門は、どんな粗末な客であっても、追い返すということはしなかったそうな。
剣侠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
或る近所の自警団では大杉を目茶苦茶になぐってやれという密々の相談があるとか、うそまことか知らぬがそういう不穏の沙汰を度々耳にした。
最後の大杉 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
剣術は真影流の名人、力は十八人力あったと申します。嘘か真実まことかは解りませんが、此の事はわたくしの土地へ参ったとき承りました。
「きのうは終日ひねもす、山をあるき、昨夜は近来になく熟睡した。そのせいか、きょうはまことに気分がよい。風邪かぜも本格的になおったとみえる」
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
思ふにこの事必ずわが導者の意をえたりしなるべし、かれ氣色けしきいとうるはしくたえず耳をわがのべしまことの言に傾けき 一二一—一二三
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
まことに女親の心は、娘の身の定りて、その家栄え、その身安泰に、しかもいみじう出世したる姿を見るに増して楽まさるる事はあらざらん。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
國許くにもとにござります、はなしにつきまして、それ饒舌しやべりますのに、まことにこまりますことには、事柄ことがらつゞきなかに、うたひとつござります。
片しぐれ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
よしや千萬里ばんりはなれるとも眞實まこと親子おやこ兄弟けうだいならば何時いつかへつてうといふたのしみもあれど、ほんの親切しんせつといふ一すぢいとにかヽつてなれば
経つくゑ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
同じ寄宿舎にいた信輔は或時彼に真事まことしやかにバイロンも亦リヴィングストン伝を読み、泣いてやまなかったと言う出たらめを話した。
そういう場合にはやむを得んけれども、今日はもはやその必要はない。ネパール大王が私を信じなければまた他に誠実まことの方法を求むる外はない。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
「いいえ、人誰もの苦患くげんはわきまえておりまする。ましていまのような世の中。それをつらいとは申しませぬ。……ただせめて、人の真情まことがほしいのです」
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いやそうではないそうではない! ……そんな小さな問題ではない! ……宗教おしえの道へ入ってみて、人間は一切平等だという、真理まことをわしは知ることが出来た。
一枚絵の女 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
孔子曰く、まことに子にして欲するなくんば、これを賞すといえどぬすまじ。しかれども魯ついに孔子を用うることあたわず。孔子もまた仕うることを求めず。(『孔子全集』、一九六一)
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
堅田の祐菴は水の味を知るに於てくはし。琵琶湖の水、甲処に於て汲む者と乙処に於て汲む者とを弁じてあやまらざりしといふ。茶博士たるもの、まことに是の如くなるべき也。
(新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
何からどうして近江屋へこんな因縁をつけるようになったのか、これも狂気の気紛れと断じてしまえばそれまでだが事実まこと近江屋にはうしろめたい筋合は一つもないのだから
世高は老婆の信実まことのあることばが嬉しかった。彼は老婆に挨拶して腰をかけながら言った。
断橋奇聞 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
貴国王、二百年来の通商のゆえを以て、遙かに我が国の利病りへいを察するありて、忠告せらるるの一事、その言極めて懇款こんかんたり。かつ別に珍品若干種を恵まる。我が主、まこともっ感荷かんかす。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
其内に存する甘実を味ふ能はずんば、むしろ智者の事ならんや、基督嘗て曰へり我は道なり、生命なり、光なりと真個まことに基督教を脩めんとするもの、真個に基督教を攻撃せんとする者
戀に人目をしのぶとは表面、やみ夜もある物を千里のかち跣足はだし誠意まことは其時こそ見ゆれ、此家こゝよりは遠からぬ染井の別墅に月の幾日を暮すとは、新聞をまたでも知るべき事なり
暗夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
得意も非なり失意も非なり、歓ぶさへもあだなれば如何で何事の実在まことならんとぞ承はりおよぶ、無有寃親想むうをんしんさう永脱諸悪趣えいだつしよあくしゆ、所詮は御心を刹那にひるがへして、常生適悦心じやうしやうてきえつしん受楽無窮極じゆらくむきゆうきよく
二日物語 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
男の短刀を逃げてゐるのか将又はたまた切支丹伴天連バテレン仕込みの妖術まがひの愁ひの類ひを逃げてゐるのかまことにハッキリしてゐないが、これもつきあひの美徳であらう
をみな (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
琵琶の眞理まことを語り明かさむ。
北村透谷詩集 (旧字旧仮名) / 北村透谷(著)
こうして遠くへ来てまで、清の身の上を案じていてやりさえすれば、おれの真心まことは清に通じるに違いない。通じさえすれば手紙なんぞやる必要はない。やらなければ無事でくらしてると思ってるだろう。
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
真相まことらしいことは云わなかったが、しかし鴫澤家に寄食する直前、甲州辺りの博徒の家に、賭場防ぎ即ち用心棒として、世話になっていたということを、問わず語りに語ったことがあった。
剣侠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
是故に国会を開く、まことに陛下の叡旨の在る所にして亦人民の切に企望する所也
政治の破産者・田中正造 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
つくろひ無き誠實まことなれば今とて更に衰るよしはなけれど、一にもおらん樣二にもおらん樣と、我がものゝやうに差出たる振舞さりとは物しらずの奴かな、御産湯の昔しより抱き參らせたる老爺われさへ
暗夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
禍難まことに遠からじ、禍難素より小ならじ。 380
イーリアス:03 イーリアス (旧字旧仮名) / ホーマー(著)
*テルシタ、汝亂言者、辨はまことに雄なるも
イーリアス:03 イーリアス (旧字旧仮名) / ホーマー(著)
けれども、西宮が実情まことある言葉、平田が四苦八苦の胸の中、その情に迫られてしかたなしに承知はした。
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
嬉しい中に危ぶまれるような気がして、虚情うそ実情まことか虚実のさかいに迷いながら吉里の顔を見ると、どう見ても以前の吉里に見えぬ。眼の中に実情まごころが見えるようで、どうしても虚情うそとは思われぬ。
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
二六一 人若しまことと法と不害と禁戒と柔善とあれば、彼こそ已に垢を吐きたる聰き長老と謂はる。
法句経 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
一九〇 佛と法と僧とに歸依し、正慧を以て四のたふとまことを觀察し
法句経 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
つれなの横笛や、よしや送りし文は拙くとも、變らぬ赤心まことは此の春秋の永きにても知れ。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
よしやひとにはあらぬ赤心まことを寄するとも、風や何處と聞き流さん。浮きたる都の艷女たをやめに二つなき心盡しのかず/\は我身ながら恥かしや、アヽ心なき人に心して我のみ迷いし愚さよ。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
ひき交換とりかへたとは事實まことか? ならば何故なぜこゑまでも交換とりかへなんだぞ? あのこゑがあればこそ、いだきあうたかひなかひな引離ひきはなし、朝彦あさびこさま歌聲うたごゑで、可愛いとしいおまへ追立おひたてをる。
燕王の言に曰く、始め難にう、むを得ずして兵を以てわざわいを救い、誓って奸悪かんあくを除き、宗社を安んじ、周公しゅうこうの勲を庶幾しょきせんとす。おもわざりき少主予が心をまこととせず、みずから天に絶てりと。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
「清酒既に載せ、騂牡(赤牛)既に備はり、以て享し以て祀り、以て景福をまことにす。」
イーリアス:03 イーリアス (旧字旧仮名) / ホーマー(著)
信實まこととなし貴妃きひ小町にも勝るとも劣はせじと思ふ程なる美人であれば其樣な病ももとより有るまじと思ふが故に近所きんじよ隣家となりの人にも更に平常の行跡ぎやうせきさへも聞事なくえん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ことに会話受持のチャペルという教師は、非常に点数のからい人であるから、会話の成績が悪いとあるいは落第するかも知れぬと実事まこと虚事そらごと打混うちまぜて哀訴嘆願に及ぶと、案じるよりも産むがやす
一日一筆 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
世間の噂は皆実正まことなり。われと吾身に計り知られぬ罪業を重ねし身。天下、身を置くに処無し。流石さすが法体ほつたいの身の、かゝる処に来合はせし事、天の与ふる運命さだめにやあらんずらん。
白くれない (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「この一身に、念仏門の実相まことを具現いたすために。——また、この身をも、念仏門の実光ひかりに救われたいがためにです」と、全身すべて信念のかたまりのように構えて、そう答えた。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「さあ危険は過ぎましたじゃ、市之丞様もゆるりとなされ。わしはの、実際まことにあなた方が可愛く思われてならぬのでのう」
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
實事まことと思ひ然らば我等と同職どうしよくなればくはしく尋る程ならばたとへ廣き御城下じやうかでも知ぬ事は有まじ今夜こんや此方このはうとまり明日未明みめいより餠屋仲間なかまを一々尋ね見るべし我も仲間帳面なかまちやうめん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
この篇は世の宗教的経験深き人に示さん為めにはあらずして心洵まことに神を求めて宗教的生活に入らんとする世の多くの友にすゝめんとてなり
予が見神の実験 (新字旧仮名) / 綱島梁川(著)
是れ七五げふを重んじ孝悌かうていをまもり、まことをつくして人慾にんよくなし。堯舜げうしゆんの道といふなるべし。
五三重陽ここぬか佳節かせつをもて帰り来る日とすべし。左門いふ。兄長このかみ必ず此の日をあやまり給ふな。一枝の菊花に五四薄酒うすきさけを備へて待ちたてまつらんと、たがひまことをつくして赤穴は西に帰りけり。
まことこのみな聖人せいじんなるも、えきしてわたくのごとひくきことあたはず。すなは(一〇〇)能仕のうしづるところあらず。そう富人ふうじんあり、あめりてかきやぶる。
分解されしわが愛の清き本質まことと形とを
またその後ジャガタラ雀が死んだので、亭主になりすまして居った前のキンパラは遂にキンカ鳥の雌にまことを通じようとするので、後のキンパラと絶えず争いをして居った。
病牀苦語 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
いまの現實まことはいつ覺めむ。
北村透谷詩集 (旧字旧仮名) / 北村透谷(著)
真個しんこ関西志士のさきがけ、英風我が邦を鼓舞し来れり」。これ彼が高弟高杉晋作の彼を賛するの辞、言いつくして余蘊ようんなし。まことにこれ彼が事業の断案といわざるべからず。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
仏鉢はまことに貴く王これをあがむるはもっともだが、かの木菟入ずくにゅうこそしからぬ、あんなありふれた坊主を一億金代りに受け取ったは大勘違いでなかろうかと。
さと云に皆々みな/\成程々々と云ながら首一ツ持出もちいだしてサア/\御座頭さんと渡しければ城富これは/\有難ありがたう御座りますと押戴おしいたゞきわつとばかりに泣出なきいだせしが變り果たる此有樣さぞや御無念で御座りませうさりながら前世ぜんせ因縁いんえん思召おぼしめし假令私の眼が見えねばとて長いうちには人間の一ねん眞事まことの人殺しを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
まづ學問がくもんといふたところおんな大底たいていあんなもの、理化學政法りくわがくせいはうなどヽびられては、およめさまのくちにいよ/\とほざかるべし、だい皮相ひさう學問がくもん枯木かれきつくばなしたもおなじにて眞心まことひとよろこはぬもの
経つくゑ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
さらずば、君は始より眞成まことにベルナルドオを愛せざりしか。君が唇のベルナルドオのぬかに觸れしをば、われ猶記す。君いかでかベルナルドオを愛せざらん。
然し日本の國民が一體に演劇、演劇に限らず凡ての藝術を民族の眞正まことの聲であると思ふやうな時代は、今日の教育政治の方針で進んで行つたら何百年たつてもるべき望みはないだらうと思ふのです。
新帰朝者日記 (旧字旧仮名) / 永井荷風(著)
冬の闇夜やみよに悪病を負う辻君つじぎみが人を呼ぶ声のいたましさは、直ちにこれ、罪障深き人類のみがたき真正まことの嘆きではあるまいか。
妾宅 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
「君は夢を真箇まことにし、真箇を夢にしているのだ。」
成仙 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
至誠まことをもて彼道を示さん
銀三十枚 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
ふたつながらに師のめがねにかなって、やがてその一人むすめを恋妻に、二代法外を名乗って弓削家へ養子にはいろうとしている伴大次郎と、おんなの誠心まことのすべてを捧げて
煩悩秘文書 (新字新仮名) / 林不忘(著)