“まめ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:マメ
語句割合
44.4%
肉刺12.7%
大豆5.6%
忠実5.6%
忠實4.8%
4.0%
老実4.0%
2.4%
2.4%
健康1.6%
勤勉1.6%
0.8%
豆菊0.8%
健全0.8%
0.8%
水泡0.8%
水腫0.8%
眞實0.8%
真実0.8%
0.8%
肉豆0.8%
胼胝0.8%
葛上亭長0.8%
豆莢0.8%
0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「ああ。わかった。わたしは、あのくわをつくるときに、こめや、まめが、たくさんみのってくれるようにとばかりおもっていた。それだからだ。」
おじいさんとくわ (新字新仮名) / 小川未明(著)
ゆるしてください、暇がないんです。……(笑う)あなたはね、世間で言う「人の痛い肉刺まめ」を、ぐいと踏んづけなすった。
ところが次の日虔十は納屋で虫喰ひ大豆まめを拾ってゐましたら林の方でそれはそれは大さわぎが聞えました。
虔十公園林 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
次郎左衛門はもともと士分とも言われぬ小身ものだけに、自分もそのつもりで、始終起ったり坐ったりしながら、忠実まめに一同の用を達していた。
四十八人目 (新字新仮名) / 森田草平(著)
「昔しから物好きで、忠實まめな人やつたんやろ、野口さんが天狗のゐる山へ夜番にいたのを聞いて、喫驚さしとなつて、耐らなんだんやろ。」
太政官 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
おいらくのとしにもめげず、すこやかに、まめなる聲の
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
もうお出懸けだ、いや、よく老実まめに廻ることだ。はははは作平さん、まあ、話しなせえ、誰も居ねえ、何ならこっちへ上って炬燵こたつに当ってよ、その障子を
註文帳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
左岸の農夫もまめを種ゑ、右岸の農夫も菽を作つた。然るに秋水大に漲つて左岸の堤防は決潰し、左岸の堤防の決潰した爲に右岸の堤防は決潰を免れたといふ事實が有る。
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
一々気にかけるじゃないけど、こっちがそれだけにしてもやっぱり不足たらだらで、私もつくづく厭になっちまうことがありますよ。誰でも言うことだけど、人間はもう体のまめなのが何よりね
深川女房 (新字新仮名) / 小栗風葉(著)
金をくだすったためしはねえ、幸い一家は健康まめ息災、薬を貰うにも及ばねえ、手を打ちたけりゃあ打つもいいが、百打つところを十にして、後は野へ出て薬草でも採り、都から入り込んだ薬草採りに
任侠二刀流 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
よくもああ身体からだが動くと思われる位に、勤勉まめ働好はたらきずきな御方でした。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
手弱たよわくあらばおそらくは逃げさらん。よく三七九念じて、よくなし給へとまめやかに教ふ。庄司三八〇よろこぼひつつ馬を飛ばしてかへりぬ。
今より二九七雄気をとこさびしてよく心をしづまりまさば、此らの邪神あしきかみやらはんに翁が力をもかり給はじ。ゆめゆめ心を静まりませとて、まめやかにさとしぬ。
「おや、豆菊まめちゃんは、見えないね」
かんかん虫は唄う (新字新仮名) / 吉川英治(著)
豆菊まめちゃん」
かんかん虫は唄う (新字新仮名) / 吉川英治(著)
見廻しけるに首はおちず何事も無健全まめ息災そくさいなり依て我が家へ立歸りしぞと物語ものがたりしかば娘はうれしく是全く金毘羅樣こんぴらさまの御利益りやくならんと早々うが手水てうずにて身をきよめて金毘羅の掛物を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
往還りまめにし蹈めば、薄衣まとへどぬくゝ、粟も稗も餓ゑばうまけむ、あきつなす數なきものに、自らも思ひてあれば、世をうけく思はずあらめと、人の身を吾はいたみぬ、見るたびことに。
長塚節歌集:2 中 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
寅二郎も重輔も、手掌てのひら水泡まめがいくつもできた。が、舟は容易に彼らの思う通りにならなかった。内側へ付けようと思ったのが、外洋へ向った波の荒い外側に付いてしまった。
船医の立場 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
ただ、まずいのは、足に、草鞋摺わらじずれの水腫まめができて、それが痛むことだった。
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
今日けふおもこゝろもらさんか明日あすむねうちうちけんかと、眞實まめなるひとほどこひるし、かるおもひの幾筋いくすぢはされしなるものから、糸子いとここゝろはるやなぎ、そむかずびかずなよ/\として
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
突然いきなり人のとこ飛込とびこんで硝子戸へ衝突ぶツかり、障子を打毀うちこわすなどという乱暴なのもありますが、この三八は誠に人のい親切な男で、真実まめに世話をするので人に可愛がられますけれども
松と藤芸妓の替紋 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
今はなかなかふみ便たよりもあらじと教へられしを、筆持つはまめなる人なれば、長き長き怨言うらみなどは告来つげこさんと、それのみはたなごころを指すばかりに待ちたりしも、疑ひし卜者のことばは不幸にもあやまたで
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
てのひら肉豆まめがないので、イワンの妹に叱られた程、労働の嫌な悪魔が、こんなに精を出して、鍬を使ふ気になつたのは、全く、このややもすれば、体にはひかかる道徳的の眠けを払はうとして
煙草と悪魔 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
「半蔵さん、わたしはもう胼胝まめをこしらえてしまった。」
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
葛上亭長まめ芫青あお地胆つち、三種合わせた、猛毒、はだえあわすべき斑蝥はんみょううちの、最も普通な、みちおしえ、魔のいた宝石のように、炫燿ぎらぎらと招いていた。
灯明之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
母はその間に、かまどの下に豆莢まめがらをいて、朝のかしぎをしておき、やがて家の裏のほうへ出て行った。
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
むらさきふかきまめの花
朝菜集 (旧字旧仮名) / 三好達治(著)