“撚”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
52.2%
より27.2%
ひね13.0%
よじ3.3%
1.1%
ねじ1.1%
ねん1.1%
ネル1.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その炭車トロッコの左右十六個の車輪の一つ一つには、軌条から湧き出す無数の火花が、赤い蛇のようにじれ、波打ちつつ巻付いていた。
斜坑 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
綱吉は殺され、平次は手を引いて、競争相手のなくなった辰五郎は、懲り性もなくよりを戻して、またお常の茶屋へ入り浸りました。
お玉は小さい紙入を黒襦子くろじゅすの帯の間から出して、幾らか紙にひねって女中に遣って置いて、駒下駄を引っ掛けて、格子戸の外へ出た。
(新字新仮名) / 森鴎外(著)
すると、その反動で、懸吊つるされている身体からだが、独楽こまみたいに廻りはじめるだろう。勿論それによって、革紐がクルクルよじれてゆく。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
「私は何も知りません」中年の女は体を横にじって胸の辺りを隠す様にして行き過ぎようとした。
偽刑事 (新字新仮名) / 川田功(著)
色のまっ黒な、眼の大きい、やわらか口髭くちひげのあるミスラ君は、テエブルの上にある石油ランプのしんねじりながら、元気よく私に挨拶あいさつしました。
魔術 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
「もっともだ」と評したのは迷亭で、「妙にったものだね」としかねたのが主人で、「やはり君、天才だよ」と敬服したのは東風君である。ただ独仙君ばかりは超然としてひげねんしている。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
冷えがちな細い腰に、毛糸やネルなどの腰捲きを、幾重にも重ねていたお増は、それまでにも時々医者にてもらいなどしていたが、ちょっとやそっとの療治ではくなりそうもなかった。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)