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撚
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より
ふりがな文庫
“
撚
(
より
)” の例文
綱吉は殺され、平次は手を引いて、競争相手のなくなった辰五郎は、懲り性もなく
撚
(
より
)
を戻して、またお常の茶屋へ入り浸りました。
銭形平次捕物控:013 美女を洗い出す
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
土佐の板垣一派の仕事を
木葉微塵
(
こっぱみじん
)
にして帰るべく腕に
撚
(
より
)
をかけて来たものであったが、それでは持って生れた彼一流の正義観が承知しなかった。
近世快人伝
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
彼は兄の置いて行った書類をまた
一纏
(
ひとまと
)
めにして、元のかんじん
撚
(
より
)
で
括
(
くく
)
ろうとした。彼が指先に力を入れた時、そのかんじん撚はぷつりと切れた。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「かんぜん
撚
(
より
)
拵
(
こせ
)
えて
水
(
みづ
)
掻
(
か
)
ん
廻
(
まあ
)
せば、えゝんだよ」
側
(
そば
)
から
巫女
(
くちよせ
)
の
婆
(
ばあ
)
さんのいふのも
待
(
ま
)
たずに
口
(
くち
)
を
出
(
だ
)
した。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
男は
股引
(
ももひき
)
に腹かけ一つ、
黒
(
くろ
)
鉢巻
(
はちまき
)
の
経木
(
きょうぎ
)
真田
(
さなだ
)
の帽子を
阿弥陀
(
あみだ
)
にかぶって、
赤銅色
(
しゃくどういろ
)
の
逞
(
たくま
)
しい腕に
撚
(
より
)
をかけ、
菅笠
(
すげがさ
)
若くは手拭で
姉様冠
(
あねさまかぶ
)
りの若い女は
赤襷
(
あかだすき
)
手甲
(
てっこう
)
がけ、腕で額の汗を拭き/\
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
▼ もっと見る
「左様な
思召
(
おぼしめ
)
しでござんすなら、一番、
腮
(
あご
)
に
撚
(
より
)
をかけてお聞きに入れやしょうかな」
大菩薩峠:41 椰子林の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
尼寺の床下が、広い機織場になっていて、牢造りになった暗い穴蔵で、三十人ばかりの青坊主の女が、馬の落毛の
撚
(
より
)
糸を経糸にし、自分らの髪の毛を梳きこんで呉絽を織らされていた。
顎十郎捕物帳:03 都鳥
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
その竹の棒へ練付けた羊の毛を巻いて、そうして口でもってだんだん
繰出
(
くりだ
)
して、よい
加減
(
かげん
)
に長くなったところで
撚
(
より
)
をかけるという具合にして糸を
拵
(
こしら
)
えるのですから太い糸しか出来ない。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
人の家へ雇はれたり元結の下
撚
(
より
)
を内職にしたりしてやっとその日を過してゐた。
霜
(新字旧仮名)
/
金田千鶴
(著)
ふつと
撚
(
より
)
になつて飛ばされて来る
『春と修羅』
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
怪盜風太郎が江戸を荒し始めてからザツト三月、江中の岡つ引が、腕に
撚
(
より
)
を掛けて
競
(
きそ
)
ひましたが、何としても捉まへることが出來ません。
銭形平次捕物控:003 大盗懺悔
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
金は取り放題、責任はアメリカへというので、腕に
撚
(
より
)
をかけると、ここ東京の丸の内、日本丸の機関部という、堂々青天を摩する大建築を並べた。
街頭から見た新東京の裏面
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
彼はその不規則な筋を指の先でざらざら
撫
(
な
)
でて見た。けれども今更
鄭寧
(
ていねい
)
に
絡
(
から
)
げたかんじん
撚
(
より
)
の結び目を
解
(
ほど
)
いて、一々中を
検
(
あら
)
ためる気も起らなかった。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
綱吉は殺され、平次は手を引いて、競爭相手のなくなつた辰五郎は、懲り性もなく
撚
(
より
)
を戻して、又お常の茶屋へ入り浸りました。
銭形平次捕物控:013 美女を洗ひ出す
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
まったくこの五人は感心で御座いますよ。上海でこの店が駄目になりかけた時に、五人が腕に
撚
(
より
)
をかけて、旦那を絞り上げて日本へ帰る旅費から、この店を
超人鬚野博士
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
惣体
(
そうたい
)
が茶色がかって既に多少の時代を帯びている上に、古風なかんじん
撚
(
より
)
で丁寧な結び目がしてあった。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
怪盗風太郎が江戸を荒し始めてからザット三月、江戸中の岡っ引が、腕に
撚
(
より
)
を掛けて競いましたが、何としても捉まえることが出来ません。
銭形平次捕物控:003 大盗懺悔
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
これも腕に
撚
(
より
)
をかけた向う鉢巻という奴で、そこいらを一ツゆすぶった。
街頭から見た新東京の裏面
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
撚
(
より
)
を戻したわけでなく、いよ/\手を切るつもりで名殘りを惜しむため、若旦那を一と晩此處へ泊めたぢやありませんか。
銭形平次捕物控:236 夕立の女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
糸だって
撚
(
より
)
をかけた
逞
(
たく
)
ましい麻糸だ。それを腕と
拳
(
こぶし
)
とにかけて輪がねたまま竜吉の枕許に置いてあった。
銭形平次捕物控:244 凧の糸目
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
鬼の留守で、へツ/\、こんなことを言つちや惡うございますが、お銀さんが腕に
撚
(
より
)
をかけて御馳走を
拵
(
こさ
)
へ——私はまた、昔の
惚氣
(
のろけ
)
をうんと聽かせてやりました。
銭形平次捕物控:310 闇に飛ぶ箭
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
いづれお富と三七は
撚
(
より
)
を戻して、デレデレして居るやうな氣がしてならないから、——氣をつけろ、——とか何んとか、
捨臺詞
(
すてぜりふ
)
を殘して退散してしまひましたが——
銭形平次捕物控:222 乗合舟
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「嘘なら、今日にも伊丹屋の若旦那と
撚
(
より
)
を戻しますよ、——でも、私はもう眞つ平御免
蒙
(
かうむ
)
ります」
銭形平次捕物控:097 許婚の死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
撚
(
より
)
を戻したわけでなく、いよ/\手を切る積りで名残りを惜しむため、若旦那を一と晩此処へ泊めたじゃありませんか、お通夜の帰りの
情事
(
いろごと
)
で、こんなことは言い度くないけれど
銭形平次捕物控:236 夕立の女
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
ガラツ八の八五郎は、懷から手拭を出すと、キリキリと
撚
(
より
)
を掛けて居ります。
銭形平次捕物控:042 庚申横町
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
ガラッ八の八五郎は、懐から手拭を出すと、キリキリと
撚
(
より
)
を掛けております。
銭形平次捕物控:042 庚申横町
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
矢の根五郎吉はわけもなく
捉
(
つか
)
まつたが、傳馬町の牢同心が腕に
撚
(
より
)
をかけて責め拔いても、二千兩の隱し場所を白状しない。骨が
碎
(
くだ
)
けるまで強情を張り通して、到頭獄門になつたのは二た月前だ。
銭形平次捕物控:148 彦徳の面
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
撚
(
より
)
を戻すつもりだつたのかな」
銭形平次捕物控:066 玉の輿の呪
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
撚
漢検準1級
部首:⼿
15画
“撚”を含む語句
紙撚
観世撚
小撚
撚糸
觀世撚
勧進撚
撚合
撚揚
撚目
撚紐
漫撚
片撚
紙撚網
逆撚