“紙撚”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
こより84.2%
かみよ5.3%
かみより5.3%
こよ5.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
あの人はそれから、椅子に腰をかけて、抽斗ひきだしからきり紙撚こよりをとり出し、レター・ペーパーの隅っこに穴をあけてそれをつづりこんだ。
つづいて、胴中に懸っていた五、六本の鎖が、まるで紙撚かみよりが水にぬれて切断するかのように、ぷつんぷつんと切れた。わが艇は、舳を下にして、真逆さまになった。
地球要塞 (新字新仮名) / 海野十三(著)
ところどころ紙撚かみよりでくくった其の蚊帳の中では、所天おっとの伴蔵が両手を膝についてきちんと坐り、何かしらしきりに口の裏で云っていた。おみねは所天の態度がおかしいので目を睜った。
円朝の牡丹灯籠 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
ある夏中庭の花壇にこの花を作ったとき、一日試みに二つのうつ向いたつぼみの上方にヘアピン形に折れ曲がった茎を紙撚こよりのひもでそっと縛っておいた。
藤棚の陰から (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)