“こよ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
此上66.7%
小撚8.3%
小縒8.3%
紙捻8.3%
紙撚8.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
此家ここの隣屋敷の、時は五月の初め、朝な/\學堂へ通ふ自分に、目も覺むる淺緑の此上こよなく嬉しかつた枳殼垣からたちがきも、いづれ主人あるじは風流をせぬ醜男か
葬列 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
自分の家まではさして遠くもないのであるが、そのままで歩くのは不便であるので、長三郎は橋の欄干らんかんに身を寄せながら、懐紙かいし小撚こよりにして鼻緒をすげ換えていると、耳のはたで人の声がきこえた。
半七捕物帳:69 白蝶怪 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
手もとに一ぽんの小縒こよりが結びつけてある。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
少年は父と姉とに連れられている。かれらは紙捻こよりでこしらえた太い鼻緒の草履ぞうりをはいている。
島原の夢 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
ある夏中庭の花壇にこの花を作ったとき、一日試みに二つのうつ向いたつぼみの上方にヘアピン形に折れ曲がった茎を紙撚こよりのひもでそっと縛っておいた。
藤棚の陰から (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)