“かんぜより”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
観世縒52.6%
観世捻21.1%
観世撚15.8%
紙捻5.3%
観世捩5.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
観世縒かんぜよりに火を点じて、その火の消えないうちに、命じられたものの名を言って隣の人に手渡す、あの遊戯をはじめた。ちっとも役に立たないもの。はい。
秋風記 (新字新仮名) / 太宰治(著)
往時、劇場の作者部屋にあっては、始めて狂言作者の事務を見習わんとするものあれば、古参の作者は書抜の書き方を教ゆるに先だって、まず見習をして観世捻かんぜよりをよらしめた。
十日の菊 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
それからは原稿料が手にると、直ぐ多少余分の送金もして、ほかの物をっても、観世撚かんぜよりだけはって呉れるなと言ってった。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
あがって見ると、九尺二間くしゃくにけん棟割長屋むねわりながやゆえ、戸棚もなく、かたえの方へ襤褸夜具ぼろやぐを積み上げ、此方こちらに建ってあります二枚折にまいおり屏風びょうぶは、破れて取れた蝶番ちょうつがいの所を紙捻かんぜよりで結びてありますから
観世捩かんぜよりひしゃげたていに、元気なく話は戻る……
霰ふる (新字新仮名) / 泉鏡花(著)