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観世縒
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かんぜより
ふりがな文庫
“
観世縒
(
かんぜより
)” の例文
旧字:
觀世縒
三人は女将の出した
観世縒
(
かんぜより
)
を抜きとった。三人共二人の籤にあたった。まだしものそれが悦びでもあるような顔を三人はした。
地上:地に潜むもの
(新字新仮名)
/
島田清次郎
(著)
観世縒
(
かんぜより
)
に火を点じて、その火の消えないうちに、命じられたものの名を言って隣の人に手渡す、あの遊戯をはじめた。ちっとも役に立たないもの。はい。
秋風記
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
猫背
(
ねこぜ
)
な三味線の師匠は、
小春日和
(
こはるびより
)
の日を背中にうけた、ほっこりした気分で、耳の穴を、
観世縒
(
かんぜより
)
でいじりながら、猫のようにブルブルと軽く
身顫
(
みぶる
)
いをした。
一世お鯉
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
鉄ぶちの眼鏡をかけて昔はリーダーの一冊くらい
齧
(
かじ
)
ったような顔をしていて、古びた紺絣の上下、羽織の紐の代りに今にも切れそうな
観世縒
(
かんぜより
)
を結んでいた。
寄席
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
かなり使い込んだ剃刀、
柄
(
え
)
を
観世縒
(
かんぜより
)
で巻いて、
生渋
(
きしぶ
)
を塗ってありますから、ひどく特色のあるものですが、不思議なことに、大して血が付いてはおりません。
銭形平次捕物控:020 朱塗の筐
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
観世縒
(
かんぜより
)
で編んだ人形のような胴体にジョウゼットの服を着始めた。
細雪:02 中巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
女三人の名を書いた
観世縒
(
かんぜより
)
と男三人の名を書いた観世縒と合せて六本、お雛様の前の二つの
三方
(
さんぼう
)
に載せて、目隠しをした子供に引かせ、男と女と二本ずつ三組に結び
銭形平次捕物控:086 縁結び
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
前ぶれ通り、存分に野暮ったい四十五六の武家、羽織の
紐
(
ひも
)
を
観世縒
(
かんぜより
)
で
括
(
くく
)
って、山の入った
袴
(
はかま
)
、折目高の羽織が、少し
羊羹色
(
ようかんいろ
)
になっていようという、典型的な御用人です。
銭形平次捕物控:098 紅筆願文
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
ゆうべも別の
樽
(
たる
)
で一升持って行って、
観世縒
(
かんぜより
)
で首を結えた徳利で、別に
燗
(
かん
)
をさせて飲んでいたが、その徳利を
摺
(
す
)
り替えて、
石見銀山
(
いわみぎんざん
)
の入ったのを呑ませた奴があるんです
銭形平次捕物控:108 ガラッ八手柄話
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
咄嗟
(
とっさ
)
の間に気の付いたのは、二重蓋の下に、
観世縒
(
かんぜより
)
で鶴の一千二百三十四番の札を平らに吊り、それを
錐
(
きり
)
で突き下げる方法ですが、見たところ箱の蓋には、観世繕を仕掛けた跡もなく
銭形平次捕物控:018 富籤政談
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
観
常用漢字
小4
部首:⾒
18画
世
常用漢字
小3
部首:⼀
5画
縒
漢検1級
部首:⽷
16画
“観世”で始まる語句
観世音菩薩
観世音
観世
観世物
観世撚
観世捻
観世水
観世丸
観世音寺
観世新路