“観世”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かんぜ87.5%
くわんぜ12.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
やむを得ずんば、観世かんぜなり、宝生ほうしょうなり、竹本なり、歌沢うたざわなり、しばらく現今衆心のおもむくところにしたがい、やや取捨を加え、音節を改めば可ならん。
国楽を振興すべきの説 (新字新仮名) / 神田孝平(著)
第一の波はくれないたまに女の白きかいなを打つ。第二の波は観世かんぜに動いて、軽く袖口そでくちにあたる。第三の波のまさに静まらんとするとき、女はと立ち上がった。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
むかし観世くわんぜの家元に豊和とよかずといつて家の芸はもとより、香聞かうきゝにも一ぱし聞えた男がゐて、金春こんぱる流のなにがしと仲がよかつた。
で、茶の間の雑談のうちにすすめられたかねだられたかしたのだらう、あるとき大曲の観世くわんぜの家元に一席とつて二人で見にいつた。私はまづ見所の行儀のよさ、静粛さが気に入つた。
能の見はじめ (新字旧仮名) / 中勘助(著)