“挫”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
くじ70.9%
ひし18.5%
ひしゃ2.4%
くぢ2.2%
くだ2.2%
ひしや1.4%
ひる0.5%
くず0.3%
0.3%
くじき0.3%
とりひし0.3%
0.3%
みじ0.3%
クジ0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
お組の声はすっかりしおれて居ります。お園と張合って、一寸も退けを取らなかったお組にしては、それは思いも寄らぬくじけようです。
それは風の通路にあたりて動揺するがごとく、麦は押し曲げらるるのみならず、押し倒され、押しひしがれて、ふたたび起きも得ざりき。
ぐしゃりとひしゃげたように仕切にもたれて、乗出して舞台を見い見い、片手を背後うしろへ伸ばして、猪口を引傾ひっかたむけたまま受ける、ぐ、それ、こぼす。
南地心中 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
げにこゝにいたり我は自らわが及ばざりしを認む、喜曲または悲曲の作者もそのテーマの難きに處してかくくぢけしことはあらじ 二二—二四
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
そこで衆人みんな心持こゝろもちは、せめてでなりと志村しむらだい一として、岡本をかもと鼻柱はなばしらくだいてやれといふつもりであつた。自分じぶんはよくこの消息せうそくかいしてた。
画の悲み (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
それは美人どころか、鼻のひしやげたいぬのやうな顔をした女だつた。男はぶつくさとぼやきながら、先刻さつきの婦人を追駈おつかけた。
それにもひるまず又向って来た。むを得ず脇差を抜いて切った。はずみで蛇の首は飛んで社前の鈴の手綱のはなに当った。
壁の眼の怪 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)
その子供の無邪気なそして素直な心をもって大地に涙しながら私の高ぶり反く心をくずさなければならない。
語られざる哲学 (新字新仮名) / 三木清(著)
一念ここに至るごとに、文三はも折れ気もじけてそして胸膈むねふさがる。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
打撲うちみくじき整骨ほねつぎ、困る人には施行ほどこし療治いたし候。
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
あまつさへうゆる時は、いちに走りて人間ひとを騒がすなんど、片腹痛き事のみなるに、機会おりもあらばとりひしがんと、常より思ひゐたりしが。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
大王にしては少々言葉がいやしいと思ったが何しろその声の底に犬をもしぐべき力がこもっているので吾輩は少なからず恐れをいだいた。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
マーキュ 猫王ねこまたどの、九箇こゝのつあるといふ足下おぬしいのちたッたひとつだけ所望しょもうしたいが、其後そののち擧動次第しこなししだいのこ八箇やッつたゝみじくまいものでもない。
即チ、敵近ヅカバ、ソノ序戦ニ於テ、彼等ノ鋭気ヲ一撃シテクジキ、味方諸人ノ心ヲマズ安泰ニ固メ置キテ後、固ク城ヲ閉ジ、防備第一トシテ、必ズ出テ戦ウナカレ。おわかりか。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)