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ひしや
それは美人どころか、鼻の
挫げた
狗のやうな顔をした女だつた。男はぶつくさと
呟きながら、
先刻の婦人を
追駈けた。
一日、
茫と
成つて、
田圃の
川で
水を
呑んで
居る
處を、
見懸けた
村の
若いものが、ドンと
一ツ
肩をくらはすと、
挫げたやうにのめらうとする。
慌てて、
頸首を
引掴んで
と
泣くのが、
身體が
縁側へ
橋に
反つて、
其のまゝ
納戸の
絲車の
上へ、
眞綿を
挫いだやうに
捻倒されたのを、
松原から
伸上つて、
菜畠越に、
遠くで
見て、
舌を
吐いて、
霞がくれの
鼻唄で
ぐつと
膨れ、
肉をわなゝかしては、げつそり
挫げる。
と
觀世捩が
挫げた
體に、
元氣なく
話は
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