ひしや)” の例文
それは美人どころか、鼻のひしやげたいぬのやうな顔をした女だつた。男はぶつくさとぼやきながら、先刻さつきの婦人を追駈おつかけた。
一日いちにもばうつて、田圃たんぼかはみづんでところを、見懸みかけたむらわかいものが、ドンとひとかたをくらはすと、ひしやげたやうにのめらうとする。あわてて、頸首えりくび引掴ひツつかんで
鑑定 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
くのが、身體からだ縁側えんがははしつて、のまゝ納戸なんど絲車いとぐるまうへへ、眞綿まわたひしやいだやうに捻倒ねぢたふされたのを、松原まつばらから伸上のびあがつて、菜畠越なばたけごしに、とほくでて、したいて、かすみがくれの鼻唄はなうた
一席話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ぐつとふくれ、にくをわなゝかしては、げつそりひしやげる。
三人の盲の話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
觀世捩くわんぜよりひしやげたていに、元氣げんきなくはなしもどる……
霰ふる (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)