“引掴”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひッつか47.1%
ひっつか27.5%
ひきつか7.8%
ひつつか7.8%
ひツつか5.9%
ひっつかま2.0%
ひッつかま2.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
うとひとしく、まだ酒のある茶碗を置いた塗盆を、飛上る足で蹴覆けかえして、羽織のひも引掴ひッつかんで、横飛びに台所を消えようとして
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
老栓はなおも躊躇ちゅうちょしていると、黒い人は提灯を引ッたくってほろを下げ、その中へ饅頭を詰めて老栓の手に渡し、同時に銀貨を引掴ひっつかんで
(新字新仮名) / 魯迅(著)
そして私にお前の言分をねつけさせてくれないか。私も頼む、その様子じゃもや引掴ひきつかんで突返すようで、断るに断り切れない。……こんな弱った事は無いのだ。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そして大きな石をあげて見る、——いやはや惡魔共が居るわ/\、かたまり合つてわな/\ぶる/\慄へてゐる。それをまた婆さんが引掴ひつつかんで行つて、一層ひどくコキ使ふ。
子をつれて (旧字旧仮名) / 葛西善蔵(著)
ほゝにく引掴ひツつかんで、口惜涙くやしなみだ無念むねんなみだ慚愧ざんきなみだせんずれば、たゞ/\最惜いとをしさのなみだはては、おなじおもひを一所いつしよにしようと、われらこれまたとほり、兩眼りやうがんわれ我手わがて
三人の盲の話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
吃驚びっくりして騒いだもんだから、鷹も驚いて、雀を引掴ひっつかまえる拍子に達也さんの咽喉のどに爪を立てちゃッたんですよ、小母さん
美人鷹匠 (新字新仮名) / 大倉燁子(著)
取られたと思うと、気が着いて、ただち其奴そいつ引掴ひッつかまえて、車掌とで引摺下ろしたまでは、恐入って冷却していたその攫徒がだね、たちまち烈火のごとくにたけり出して、坂田氏をなぐった騒ぎだ。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)