“ひきつか”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
引掴57.1%
引抓14.3%
引握14.3%
引𤔩14.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
何事がお気に障ったか……と思う間もなく、厚くかさねた座布団の上から臂を伸ばした忠之は、与一の襟元を無手と引掴ひきつかんだ。力任せにズルズルと引寄せて膝の上に抱え上げた。
名君忠之 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
ところへ、はるか虚空こくうから大鳶おほとび一羽いちわ、矢のやうにおろいて来て、すかりと大蛇おおへび引抓ひきつかんで飛ばうとすると、這奴しゃつ地所持じしょもち一廉いっかどのぬしと見えて、やゝ、其の手ははぬ。
妖魔の辻占 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
古木こぼくやうみにくうでのばして、鐵車てつしやおり引握ひきつかみ、力任ちからまかせにくるま引倒ひきたほさんとするのである。猛犬稻妻まうけんいなづま猛然まうぜんとしてそのいた。
金眸は痛さに身をもがきつつ、鷲郎が横腹を引𤔩ひきつかめば、「呀嗟あなや」と叫んで身を翻へし、少し退しさつて洞口のかたへ、行くを続いておっかくれば。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)