“引抓”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひきつか33.3%
ひっかゝ33.3%
ひッつま33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ところへ、はるか虚空こくうから大鳶おほとび一羽いちわ、矢のやうにおろいて来て、すかりと大蛇おおへび引抓ひきつかんで飛ばうとすると、這奴しゃつ地所持じしょもち一廉いっかどのぬしと見えて、やゝ、其の手ははぬ。
妖魔の辻占 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
余は無言のまゝに彼れをすわらせ其傷をあらたむるにるほど血の出る割にはたいした怪我にもあらず、れど左の頬を耳より口まで引抓ひっかゝれたる者にして処々ところ/″\に肉さえ露出むきいでたれば痛みはこそと察せらる
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
玄関の下駄を引抓ひッつまんで、晩方ばんがた背戸へ出て、柿のこずえの一つ星を見ながら、「あの雀はどうしたろう。」ありたけの飛石——と言っても五つばかり——をそぞろに渡ると、湿けた窪地くぼちで、すぐ上がしのぶこけ
二、三羽――十二、三羽 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)