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引掴
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ひきつか
ふりがな文庫
“
引掴
(
ひきつか
)” の例文
そして私にお前の言分を
刎
(
は
)
ねつけさせてくれないか。私も頼む、その様子じゃ
靄
(
もや
)
を
引掴
(
ひきつか
)
んで突返すようで、断るに断り切れない。……こんな弱った事は無いのだ。
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
何事がお気に障ったか……と思う間もなく、厚く
襲
(
かさ
)
ねた座布団の上から臂を伸ばした忠之は、与一の襟元を無手と
引掴
(
ひきつか
)
んだ。力任せにズルズルと引寄せて膝の上に抱え上げた。
名君忠之
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
可恐
(
おそろし
)
く蛇ずきの
悪戯
(
いたずら
)
で、
秋寂
(
あきさ
)
びた冷気に珍らしい湯のぬくもりを心地よげに出て来る蛇を、一度に押えてせっちょうして、遁げ込む石垣の尾を二疋も三疋も、
引掴
(
ひきつか
)
み、
引掴
(
ひッつか
)
み
ピストルの使い方:――(前題――楊弓)
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
その唇が、眉とともに
歪
(
ゆが
)
んだと思うと、はらりと薫って、胸に
冷
(
ひや
)
り、
円髷
(
まるまげ
)
の
手巾
(
ハンケチ
)
の落ちかかる、
一重
(
ひとえ
)
だけは隔てたが、お町の両の手が、
咄嗟
(
とっさ
)
に外套の袖をしごくばかりに
引掴
(
ひきつか
)
んで、肩と袖で
取縋
(
とりすが
)
った。
古狢
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
引
常用漢字
小2
部首:⼸
4画
掴
漢検準1級
部首:⼿
11画
“引”で始まる語句
引
引込
引摺
引返
引張
引掛
引籠
引立
引緊
引出