“ひっつか”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
引掴73.7%
引捕10.5%
引捉5.3%
引握5.3%
把攫5.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
飢えた蒼鷹くまだかが小鳥をつかむのはこんな塩梅あんばいで有ろうかと思う程に文三が手紙を引掴ひっつかんで、封目ふうじめを押切ッて、故意わざ声高こわだかに読み出したが
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
ところで酒を飲むことを防ぐために僧侶が市街まちに行って帰って来る時分には門の所に立って居る警護の僧に対し口を開いてにおいをがすのです。で酒の香いがして居ると引捕ひっつかまえる。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
其の案内人が甚だ怪しい物騒千万なもので、此方から差出す手を向うから引捉ひっつかんで竜宮の一町目あたりへ引込もうとするか何様かは知れたもので無いのである。
蒲生氏郷 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
蝙蝠かわほりのような怪しい鳥が飛んで来て、蝋燭の火をあやうく消そうとしたのを、重太郎は矢庭やにわ引握ひっつかんで足下あしもとの岩に叩き付けた。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
蒼鸇たかの飛ぶ時よそはなさず、鶴なら鶴の一点張りに雲をも穿うがち風にもむかって目ざす獲物の、咽喉仏のどぼとけ把攫ひっつかまでは合点せざるものなり。
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)