“引捉”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひっとら78.6%
ひっつか7.1%
ひつとら7.1%
ひッつか7.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
されどもかれは聞かざる真似して、手早くじょうを外さんとなしける時、手燭てしょく片手に駈出かけいでて、むずと帯際を引捉ひっとらえ、掴戻つかみもどせる老人あり。
琵琶伝 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
其の案内人が甚だ怪しい物騒千万なもので、此方から差出す手を向うから引捉ひっつかんで竜宮の一町目あたりへ引込もうとするか何様かは知れたもので無いのである。
蒲生氏郷 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
もとよりあはひ幾許いくばくも有らざるに、急所の血をいだせる女の足取、引捉ひつとらふるに何程の事有らんと、あなどりしに相違して、彼は始の如く走るに引易ひきかへ、此方こなたは漸く息疲いきつかるるに及べども
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
凸助でこすけ……いや、鼻ぴっしゃり、芋※ずいきの葉の凹吉ぼこきちめ、細道で引捉ひッつかまえて、張撲はりなぐってこらそう、と通りものを待構えて、こう透かして見ますがの、背の高いのから順よく並んで
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)