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引捉
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ひっとら
ふりがな文庫
“
引捉
(
ひっとら
)” の例文
されども
渠
(
かれ
)
は聞かざる真似して、手早く
鎖
(
じょう
)
を外さんとなしける時、
手燭
(
てしょく
)
片手に
駈出
(
かけい
)
でて、むずと帯際を
引捉
(
ひっとら
)
え、
掴戻
(
つかみもど
)
せる老人あり。
琵琶伝
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
米友が後ろから行って
引捉
(
ひっとら
)
えると、それを振切って、人間の子供と遊ぼうと駄々をこねる熊——そうはさせじと引き留むる米友。
大菩薩峠:33 不破の関の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
しかも前記の乱の鎮定後明治政府に対して功績を挙ぐるに汲々たる県当局では、残酷にも健児社に居残っている少年連を
悉
(
ことごと
)
く
引捉
(
ひっとら
)
えて投獄した。
近世快人伝
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
砂埃が眼に入って長二は物を見る事が出来ませんが、余りの
口惜
(
くやし
)
さに手探りで幸兵衞の足を
引捉
(
ひっとら
)
えて起上り
名人長二
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
警官等は決闘の勝利者を
引捉
(
ひっとら
)
えて、型の如く、この際愚図々々いうとためにならんと云いきかせた。
サレーダイン公爵の罪業
(新字新仮名)
/
ギルバート・キース・チェスタートン
(著)
▼ もっと見る
即ち
昨夜
(
ゆうべ
)
とおなじ刻限になったから、
汝
(
おの
)
れ妖怪変化
御
(
ご
)
ざんなれ、今夜こそは
其
(
そ
)
の正体を見とどけて、あわ
好
(
よ
)
くば
引捉
(
ひっとら
)
えて
化
(
ばけ
)
の皮を
剥
(
は
)
いで
呉
(
く
)
れようと、手ぐすね引いて
待構
(
まちかま
)
えていると
画工と幽霊
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
いつものように
黄昏
(
たそがれ
)
の軒をうろつく、嘉吉
奴
(
め
)
を
引捉
(
ひっとら
)
え、
確
(
しか
)
と親元へ預け置いたは、屋根から
天蚕糸
(
てぐす
)
に
鉤
(
はり
)
をかけて、行燈を釣らせぬ分別。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「たしか二人——わたしを撃っておいて、お豊を
引捉
(
ひっとら
)
えて、馬に載せて、あちらへ、あちらへ」
大菩薩峠:04 三輪の神杉の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
とばかりありて、身を横さまに、格子戸にハタとあたりて、
呻
(
うめ
)
きつつ、片足踏出でて
掙
(
あせ
)
れる染をば、追い来し者ありて
引捉
(
ひっとら
)
え、恐しき声にて叱りたるが、
引摺
(
ひきず
)
りて内に
入
(
い
)
りぬ。
照葉狂言
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
カラアの
純白
(
まっしろ
)
な、髪をきちんと分けた紳士が、職人体の半纏着を
引捉
(
ひっとら
)
えて、出せ、出せ、と
喚
(
わめ
)
いているからには、その間の消息一目して
瞭然
(
りょうぜん
)
たりで、車掌もちっとも
猶予
(
ためら
)
わず
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ふらふらとあと
退
(
ずさ
)
りに
退
(
すさ
)
るのを夢中で
引捉
(
ひっとら
)
えようとしました。
甲乙
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
引
常用漢字
小2
部首:⼸
4画
捉
常用漢字
中学
部首:⼿
10画
“引”で始まる語句
引
引込
引摺
引返
引張
引掛
引籠
引立
引緊
引出