“鉤”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かぎ69.5%
はり22.0%
つりばり2.1%
つり1.4%
ばり1.4%
0.7%
0.7%
つる0.7%
まが0.7%
フツク0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
すると、投げ上げた網の上の方でかぎか何かに引っかかりでもしたように、もう下へ降りて来ないのです。それどころではありません。
梨の実 (新字新仮名) / 小山内薫(著)
また二間ばかりの竿では、此処ここでは鉤先はりさきが好い魚の廻るべきところに達しない。岸近きしぢかに廻るホソの小魚こざかなしかはりには来らぬであろう。
蘆声 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
「我、兄とつりばりを易へて、その鉤を失ひつ。ここにその鉤を乞へば、あまたの鉤を償へども、受けずて、なほその本の鉤を得むといふ。かれ泣き患ふ」
新開地だけにたゞ軒先障子などの白木の夜目にも生々なま/\しく見ゆるばかり、ゆか低く屋根低く、立てし障子は地よりたゞちに軒に至るかと思はれ、既にゆがみて隙間よりはつりランプの笠など見ゆ。
空知川の岸辺 (新字旧仮名) / 国木田独歩(著)
この鉤を兄樣にあげる時には、この鉤は貧乏鉤びんぼうばりの悲しみばりだと言つて、うしろ向きにおあげなさい。
けてくらひね、てらつゝき
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
岸の絶壁ぜつへきなる所は木の根に藤縄ふぢなはをくゝしてたなり、こゝに掻網かきあみをするもまれにあり。
たちまち見る詰襟白服の一紳士ステッキをズボンのかくしにつるして濶歩す。ステッキの尖歩々ほほ靴のかかとに当り敷石を打ちて響をなす事恰も査公さこう佩剣はいけんの如し。
偏奇館漫録 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
義尚将軍のまがりの里の陣は、応仁の一乱によって促進された大勢に、さらに動かすべからざる決定を与えたものだ。
さひわひにも艇中ていちうには端艇たんてい本船ほんせん引揚ひきあげるとき使用しようする堅固けんごなる鐵鎖てつぐさりと、それに附屬ふぞくして鉤形つりばりがたの「Hookフツク」がのこつてつたので、それをはづして、フツク只今たゞゐま小鰺こあぢつらぬいてやをら立上たちあがつた。