つりばり)” の例文
「我、兄とつりばりを易へて、その鉤を失ひつ。ここにその鉤を乞へば、あまたの鉤を償へども、受けずて、なほその本の鉤を得むといふ。かれ泣き患ふ」
村の人に云わさすがええと云うて、王様はんでしもうた、鮒になった男は、どうして元の人間になろうかと云うと、漁師の垂れたつりばりに釣られるか、網に採られるかして、人間に料理してもらえば
放生津物語 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
をんなもまたつりばりよりこひ甘餌あまゑさぬすおそろしさ。
ここに火遠理ほをりの命、海幸をもちて釣らすに、ふつに一つの魚だに得ず、またそのつりばりをも海に失ひたまひき。