“鉤裂”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かぎざき71.4%
かぎざ28.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
膝の抜けかゝった盲縞めくらじまの股引に、垢染みたあい万筋まんすじ木綿袷もめんあわせの前をいくじなく合せて、縄のような三尺を締め、袖に鉤裂かぎざきのある印半纏しるしばんてん引掛ひっかけていて
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
正月の七草ななくさのすんだころ、克子はまだ正月気分が忘れられなかったのか、お母さんの知らぬまに一帳羅いっちょうらの洋服を着て出ていき、大きな鉤裂かぎざきをこしらえてもどってきた。
赤いステッキ (新字新仮名) / 壺井栄(著)
いや、伸子さんのへやドア際にあった、鉤裂かぎざきの跡を見ても、夫人の右手が、あの当時痲痺していたことが判るんですよ。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
まだ起きて帳面でもけていたのであろうか? 妙に皺の多い瘠せた顔の奥から、金壺眼かなつぼまなこを眼鏡越しに光らせている姿……鉤裂かぎざきだらけの上衣を着けて
陰獣トリステサ (新字新仮名) / 橘外男(著)