赤いステッキあかいステッキ
生まれつき目のよく見えない克子が兄の健とつれだって外へ遊びに出るとき、お母さんはきまったように二人にいって聞かせる。 「気いつけてな、克が石垣から落ちたりせんようにな」 それほど石垣の多い村である。海ぞいの村道に表を向けて立ちならぶ家々の裏 …