“ひしゃ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
60.0%
飛車13.3%
飛叉6.7%
圧拉6.7%
披砂6.7%
6.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そのまま、茄子なすひしゃげたような、せたが、紫色の小さな懐炉かいろを取って、黙ってと技師の胸に差出したのである。
露肆 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
用なしの身体からだゆえ、客人が其処そこへ寄って、路傍みちばたに立って、両方ともやたらに飛車ひしゃかく取替とりかえこ、ころりころり差違さしちがえるごとに、ほい、ほい、と言う勇ましい懸声かけごえで。
春昼 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「口ほどでもないやつ」と、追いかけると、陳応は、何をっとおめいて、飛叉ひしゃを投げつけた。趙雲は、それを片手に受けて
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この陳応という者は、飛叉ひしゃと称する武器を良く使う。二またの大鎌槍とでもいうような凄い打ち物である。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ヒイッと悲鳴で仰向あおむけに土間に転がり落ちると、その下になって、ぐしゃりと圧拉ひしゃげたように、膝をの上へ立てて、うごめいた頤髯あごひげのある立派な紳士は、附元つけもとから引断ひききれて片足ない
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
確か大田蜀山しょくさんの『玉川披砂ひしゃ』という見聞録の中に、多摩川南の関戸せきど村の某氏の古文書中に、天文頃小田原北条家の出したもので、新宿興行に付き七年荒野申し付くる云々というのがある。
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
だから、あの風精ジルフスのユーモアは、今のような論理追求だけでひしゃげてしまうようなしろものじゃない。きっと水精ウンディヌスなどとは似ても似つかぬほど、狂暴的な幻想的ファンタスチックなものに違いないのだ。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)