くだ)” の例文
そこで衆人みんな心持こゝろもちは、せめてでなりと志村しむらだい一として、岡本をかもと鼻柱はなばしらくだいてやれといふつもりであつた。自分じぶんはよくこの消息せうそくかいしてた。
画の悲み (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
八「笑かせアがらア、若大将わかてえしょうに胡麻すりアがって脊負おんぶのくせに、割前わりめえが出ねえと思ってふざけアがると向うずねぶっくだかれねえ用心しやアがれ」
「ただちょっと肩の骨をくだくなり、指を折るなりして、今度の仕合に出られないようにしてやりさえすればよいのだ」
平馬と鶯 (新字新仮名) / 林不忘(著)
「韓徳が一敗地にやぶれたのを見ても、これはやや敵を軽んじ過ぎた。大挙して、彼の先鋒を打ちくだかぬ分には、蜀の軍を勝ち誇らせるおそれがある」
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
三文字紋弥の声につれて、覚束おぼつかない足取で、現われた十八九の娘が一人、殿の御前へ来ると、張詰はりつめた気もくだけたものか、ヘタヘタと坐ってヒョイとお辞儀をしました。
わが夢も、わが苦しみも、わが悦びも、すべてうちくだきつつ
そこで衆人みんなの心持は、せめて画でなりと志村を第一として、岡本の鼻柱をくだいてやれというつもりであった。自分はよくこの消息を解していた。
画の悲み (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
血はながれて白髯に染み、肉はやぶれて骨髄こつずいくだけたろうと思われた。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)