“黒襦子”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
くろじゅす63.6%
くろじゆす36.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
親が裕福でありませんので、外出着にはいつも年の割に地味な黒襦子くろじゅすの帯を締めて、牡丹の模様のメリンスの羽織を着て居りました。
支倉事件 (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)
お玉は小さい紙入を黒襦子くろじゅすの帯の間から出して、幾らか紙にひねって女中に遣って置いて、駒下駄を引っ掛けて、格子戸の外へ出た。
(新字新仮名) / 森鴎外(著)
そのなかには、栄子がはじめて良人や子供と捨三を訪問したとき締めてゐた、黒襦子くろじゆすに草花の刺繍ししうのある帯などがあつた。
質物 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
住吉すみよしをどりに角兵衛獅子かくべいじし、おもひおもひの扮粧いでたちして、縮緬透綾ちりめんすきやの伊達もあれば、薩摩さつまがすりの洗ひ着に黒襦子くろじゆす幅狭帯はばせまおび、よき女もあり男もあり、五人七人十人一組の大たむろもあれば
たけくらべ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)