“よじ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
44.4%
余事11.1%
四時6.7%
6.7%
6.7%
6.7%
4.4%
餘事4.4%
与二2.2%
2.2%
縒捻2.2%
豫示2.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
腹をよじつたり、仰反のけぞつたりしてゐたが、笑ひ疲れて眼をショボショボと凋ませ乍ら、漸く笑ひを収めたら「メエンメエン」と言つて口を尖らせ
竹藪の家 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
この先妻についても、まず、ひとくさりのお話はあるでございますが、それは余事よじゆえに申さずともよろしかろ。
春昼 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
と、發着はつちやくえき靜岡しづをかもどしてると、「や、此奴こいつよわつた。」おもはずこゑしてつぶやいた。靜岡着しづをかちやく午前ごぜんまさに四時よじなのであつた。いや、串戲じようだんではない。
雨ふり (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
しかし、突き上げて来る弾力とよじれる身体の律動に、甲谷はいつとはなしに、格闘するそのものが彼女の病体ではなくて、自分自身だと思い始めた。
上海 (新字新仮名) / 横光利一(著)
この踊りの可笑おかしくて面白い事、お腹の皮がよじれるようで、皆手をって喜びました。
雪の塔 (新字新仮名) / 夢野久作海若藍平(著)
しかしこんな事に凹垂へこたれる吾輩でない、などと先頭に立っているので大いに得意になり、津川子と共にエイヤエイヤの掛声を揚げてよじ登る。
本州横断 癇癪徒歩旅行 (新字新仮名) / 押川春浪(著)
麻緒あさお足駄あしだの歯をよじって、憎々にくにくしげにふり返りますと、まるで法論でもしかけそうな勢いで、『それとも竜が天上すると申す、しかとした証拠がござるかな。』と問いつめるのでございます。
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
おのれに問に非ず道十郎は此儀ばかりにかゝはらずべつに仔細有て死骸は取捨申付られたるなり餘事よじの答へには及ばず其方其夜は病中にて他行たぎやう致したる覺えなしと言へども其證據有りや如何にと尋問たづねらるゝ長庵冷笑せゝらわらひ別に證據と申ては御座無候へ共町役人一同其あかつき私し打臥居うちふしをり候所へ參り候間皆能々よく/\存じ居候と云へば越前守殿夫は
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
一文不通いちもんふつうの者であったが、天性正直で、弟の与二よじとともに無双の勇者で、よどの城に住し、今までも度〻たびたび手柄を立てた者なので、細川一家では賞美していた男であった。
魔法修行者 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
ともすれば身体のよじり方一つにも復一は性の独立感を翻弄ほんろうされそうなおそれを感じて皮膚ひふの感覚をかたくよろって用心してかからねばならなかった。
金魚撩乱 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
幾つもある阿片寝床あへんベッドには、もうゆうべの愚連隊たちはひとりも見えなかった。ただ、トム公と背なかをくッつけて、お光が、絹糸の束のように、からだを縒捻よじッたまま、ふかい寝息をかいて寝ていた。
かんかん虫は唄う (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しかしこの豫示よじは半分しか滿されなかつた。實際私は悲しい夢は見なかつた。しかし同じく喜びの夢も見なかつた。まつたく眠らなかつた。