よじ)” の例文
女房は真うつむけに突伏つッぷした、と思うと、ついと立って、茶の間へげた。着崩れがしたと見え、つまよじれて足くびが白く出た。
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
しかし、突き上げて来る弾力とよじれる身体の律動に、甲谷はいつとはなしに、格闘するそのものが彼女の病体ではなくて、自分自身だと思い始めた。
上海 (新字新仮名) / 横光利一(著)
刀の柄糸つかいとよじりぎみに、右手めては深く左手ゆんでは浅く、刀背みね蛇眼だがんをすえて寄る平入身ひらいりみ——。
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼は秋蘭の足がただ所々りむけて筋がよじれただけにも拘らず、彼女を乗せて自動車を走らせた。彼はいった。
上海 (新字新仮名) / 横光利一(著)