“ね”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:
語句割合
27.4%
8.4%
7.4%
7.2%
7.2%
7.2%
4.6%
3.9%
3.8%
3.3%
(他:404)19.6%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そうして、そのなめらかな水面を、陽気な太鼓の音、笛の、三味線の音がしらみのようにむずかゆく刺している。
ひょっとこ (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
ただそこにたたずんだまま、とぼしい虫のに聞き入っていると、自然と涙が彼の頬へ、冷やかに流れ始めたのである。
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
寒い夜などはひそかに蕎麦粉そばこを仕入れておいて、いつの間にかている枕元まくらもとへ蕎麦湯を持って来てくれる。
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
られぬなれば臥床ふしどらんもせんなしとて小切こぎれたる畳紙たゝうがみとりだし
雨の夜 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
はぬまでに全身ぜんしんふるはし、すみからすみへといそいであゆはじめる
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
わぬまでに全身ぜんしんふるわし、すみからすみへといそいであゆはじめる
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
長崎屋は、青ざめた泥焔でいえんを吐くように、うめくように言うのだ――限りない怨みをこめた目で、め上げながら、
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
小宰相はしいんと眸を澄まして、そういう能登のみだらな唇を憎むようにめかえした。ぱっと紅葉をちらした顔でもない。
私本太平記:06 八荒帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
満座の手前、兄もこう叱るよりほかはなかったが、それがいよいよ弟の不平を募らせて、源三郎は更に兄の方へ膝をじ向けた。
鳥辺山心中 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
わたしは週刊朝日の原稿をふところにじ込んで、バスケットと旅行用の鞄とを引っさげて出ると、地面がまた大きく揺らいだ。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
彼は既に例の二階の方の仮の書斎を引払って来て、義雄の起きたりたりしていた奥の部屋に自分の机や書棚しょだなを置いた。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
来ると早々窮屈な病室の寝台などにかされて、まだろくろく帯をいて汽車の疲労つかれを休めることすら出来なかった。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
来年卒業証書を握ったらべそ子嬢に結婚を申込もうなんと思いの夢魂七三しちさんにへばりつくのとはちと違って居た。
蒲生氏郷 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
いてときあり、稚兒をさなごのやうになりて正雄まさをひざまくらにしてときあり
うつせみ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
時に例の剽軽男へうきんをとこ、ニユーと首を延して声を低めつ「かゝあも矢ツ張り共産主義ツた様な一件ヂヤいかナ」
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
新「そんな野暮なことを云うな……ムーン破けてるひどい前掛だなア、愛敬のえ車夫だね……車夫さん幌は漏りゃアしないか」
松と藤芸妓の替紋 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
富「いやもう大きに疲れました、ハアーどうも夜られんでな、大きに疲れました、ねむれんと云うのは誠にいかんものだ」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
清「手前は受合っても、本人が出て来て訳の解らねえうちは、おらア寝てもられねえから、御苦労だが早く行ってくんねえ」
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
の方位の獣と立つる風と、インドで毘沙門を北方の守護とする経説を融通して、ついに毘沙門の後胤と称する国王も出で来れば
今夜のの刻(午後十二時)にその蝋燭の火を照らして、壁かまたは障子にうつし出される娘の影を見とどけろというのである。
影を踏まれた女 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
でも若し喰べ物が無くなると困ると思つたから、牛の鑵詰と福神漬の鑵詰の口の明けたのをふところぢ込んで出たの。
梅龍の話 (旧字旧仮名) / 小山内薫(著)
そこで巡査は躍り出て、その者を捕えにかかると、はげしく抵抗したのでじ伏せたが、別に誰も追いかけて来る様子はなかった。
呪われの家 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
御神輿おみこしは、あらぬむかがはつて、振向ふりむきもしないで四五十間しごじつけんずつとぎる。
祭のこと (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
去年きょねんくれつまって、引摺ひきずりもちむこ鉢巻ぱちまきあるいていた
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
れだえ、もう仕舞しまつたから明日あしたておれとうそへば、たつていやね
わかれ道 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
――前刻さつきくさあぜにてたかさが、パサリと、ひとりでたふれると、した女中ぢよちうが、
露宿 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
とにかく、多少のうちがありそうな物はすべて一包みにして、僕はやとい車に乗った。質屋をさして車を駆けらしたのである。
耽溺 (新字新仮名) / 岩野泡鳴(著)
かれは掲示を出して、材木や石材などを買入れることから、人夫を使うことをふれさせ、何によらず高いを払うことにしました。
イワンの馬鹿 (新字新仮名) / レオ・トルストイ(著)
卸問屋おろしとんやのほうでげるのですから、こうしてわたしどもは、やはりもうからないのです。」
火を点ず (新字新仮名) / 小川未明(著)
「このこいはもいいにちがいない。」と、こころうちおもって、さっさといってしまうものばかりでした。
千代紙の春 (新字新仮名) / 小川未明(著)
むいのを我慢しながらモウ青白く夜の明けている狭い梯子段を伝い降りて、母親の寝室のカーテンの中へ走り込んで行った。
継子 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
悪魔は、手をふりながら、むさうな声で、かう怒鳴つた。寝入りばなの邪魔をされたのが、よくよくしやくにさはつたらしい。
煙草と悪魔 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
綺麗なのが不仕合せ――不思議な言葉ですが、封建的にり堅めたやうな江戸時代には、さう言つた例も少なくなかつたのです。
り餌をやると、自分たち同類の鳥が巣を作る、至極あつらえ向きの捏土こねつちだと思いこんで、ただ本能的にその上にうずくまる。
博物誌 (新字新仮名) / ジュール・ルナール(著)
いもいへぎて見ましを大和やまとなる大島おほしまいへもあらましを 〔巻二・九一〕 天智天皇
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
相模小嶺おみねを見過し、真砂余綾よろぎの浜を通り、岩崩いわくえのかげを行く。
富士 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
「葉子、お前決して失望してはいけないよ。ただあの原稿が少し奔放すぎるだけなんだよ。文章も今一とり錬らなくちゃあ。」
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
山寺やまでらがく魍魎まうりやういたるまで、みぞれつてこほりつゝ
五月より (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
女「毎日めえにちなんかえりも行ったり来たりして居りやすから、もうが極ってるでがす、六十五せねでがんす」
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
さて、祖母としよりの話では、古本屋は、あの錦絵にしきえを五十銭からを付け出して、しまいに七十五銭よりは出せぬと言う。
国貞えがく (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
えやん、っちゃん、おかあん、はよおいでんか、あほめ、見えへんがな、すわらんか、などわいわいわめいている。
めでたき風景 (新字新仮名) / 小出楢重(著)
えさん、察して下さい。正月が来るのに、わたしは実はふんどし一本買う銭もない。」
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
また、「背向そがひ宿しく」は、男女云い争った後の行為のように取れて一層哀れも深いし、女らしいところがあっていい。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
すなわちその歌は、「春のにすみれみにとあれぞ、をなつかしみ一夜ひとよ宿にける」である。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
かねて赤土はってあったが、その土蔵の扉を塗りぶすことは、父の代にはついに一度もなかったことである。
壊滅の序曲 (新字新仮名) / 原民喜(著)
そこは、空気の湿りを乾草が吸い取ってしまうためか、闇がとついたようにじめじめしていて、時おり風に鳴ると、枯草が鈴のような音を立てる。
白蟻 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
わしはこの胸ん中が張り裂きゅごたる。先生、えたっちゃよかろ。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
「うむ、えたっちゃよかぞ。泣け泣け、おれにつかまれ。」
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
畜生め、若い時は、一手ひとて、手裏剣も心得たぞ――とニヤニヤと笑いながら、居士が石を取ってったんです。
半島一奇抄 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
らった上は決してがさぬ。
書記官 (新字新仮名) / 川上眉山(著)
義貞は口を渋った。まだいくらかの疑惑を二人へもつらしく、その人態にんていなどを眼でぶるがごとく見直すのだった。
私本太平記:08 新田帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その荷物の間に挟まって、嬰児あかごは嬉々としていた。時々、米の粉の掻いたのや、練飴ねりあめぶらせて行く。
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
御願おねげてる御願おねげたかべてるたかべ、肝揃きもそろてゝ、肝揃きもそろげは、時のうらかたも神のみすゞりも、十四五なるわらべ
ユタの歴史的研究 (新字新仮名) / 伊波普猷(著)
ぎかくるは伯母のまにまにである。
富士 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
それはなか/\が高いので買へなかつたが、むらさき水晶の小材にお鳥の姓清水を刻して貰ふことにして、そこを出た。
泡鳴五部作:01 発展 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
「田賣らうにも、が下がつてるし、第一けふは不景氣で買手があろまい。」と、數之介は皺だらけの顏にます/\皮肉の笑ひを浮べて言つた。
太政官 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
鴨がを聞いたのだっけ。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
鴨がを聞いたのだつけ。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
しばらく、物く、たく、しかも陽気な世の中が自分にまみえた。自分は娯しい中に胸迫るものを感じ続けて来た。
富士 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
が――言葉の上では強くても、お袖には、たさ、弱さ、恨めしさ、お縫以上のものがあった。
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)