“拈”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひね71.8%
ねん20.5%
2.6%
2.6%
より2.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
たちま衣嚢かくしを探りて先刻のコロップを取出しあたかも初めて胡桃くるみを得たる小猿が其の剥方むきかたを知ずしてむなしく指先にてひねり廻す如くに其栓を
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
一茎草をねんじて丈六の仏に化することもわるくないが、私は草の葉の一葉で足りる。足りるところに、私の愚が穏坐している。
白い花 (新字新仮名) / 種田山頭火(著)
和服の者は懐中へ筆記帳を四五冊無理やりにじ込み、右の手の人差指一本だけ袖口からちょいと出して、それへインキ壺を引っ懸けて行く。
The Affair of Two Watches (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
しかし「さあ、七銭からとお銭、飛んで十と五銭——」とはずんで、り声を立てゝいる酒問屋の息子の手に品物がねられる度びに、本能的に、きらりと光る注意の眼が品物に注がれました。
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
其の袋を取ってぱっと投げますると、風が這入って袋のよりが戻ったから、中からブウンと蚊が飛び出しました。
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)