“拈定”の読み方と例文
読み方割合
ねんてい100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼女はその或物を拈定ねんていしなければならなかった。しかし彼女の努力は容易に成効せいこうをもって酬いられなかった。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
かれつたへやなかで、一二度あたまを抑えてうごかして見た。彼はむかしから今日こんにち迄の思索家の、しばしばかへした無意義な疑義を、又脳裏のうり拈定ねんていするに堪えなかつた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
彼は昔から今日までの思索家の、しばしば繰り返した無意義な疑義を、又脳裏に拈定ねんていするに堪えなかった。その姿のちらりと眼前に起った時、またかと云う具合に、すぐ切り棄ててしまった。
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)