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舐
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ね
「山伏どの、
干飯が
炊けました。味噌を
舐ぶって食うと
美味い、ここへ来て
召食がらぬか」と、いうのである。
その荷物の間に挟まって、
嬰児は嬉々としていた。時々、米の粉の掻いたのや、
練飴を
舐ぶらせて行く。
まだいくらかの疑惑を二人へもつらしく、その
人態などを眼で
舐ぶるがごとく見直すのだった。
虎の
糞を見ただけである。あくる日もまた、
乾飯、牛骨を
舐ぶり舐ぶり、この日もまた駄目。
と、
海棠の花みたいな耳たぶを、噛むでもなく
舐ぶるでもなく、歯で
弄びながら
囁いた。