“舐廻”の読み方と例文
読み方割合
なめまわ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
舐廻なめまわって、ちょうど簪の見当の欄干の裏へ這込はいこんだのが、屈んだ鼻のさきに見えました。
怨霊借用 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
いま、この一座が、ぴったり鳴りを鎮めて、浪人ものも、弥四郎頭巾も、いっせいに舐廻なめまわすような視線を千浪の立ちすがたに集中あつめているのを、法外老人もかの女も気がつかなかった。
煩悩秘文書 (新字新仮名) / 林不忘(著)
左程おそれた様子もなく、チョコチョコとそばへ来て流石さすがに少し平べったくなりながら、頭をでてやる私の手を、下からグイグイ推上おしあげるようにして、ベロベロと舐廻なめまわし、手を呉れるつもりなのか
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)