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粘
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ね
ふりがな文庫
“
粘
(
ね
)” の例文
そこは、空気の湿りを乾草が吸い取ってしまうためか、闇が
粘
(
ね
)
とついたようにじめじめしていて、時おり風に鳴ると、枯草が鈴のような音を立てる。
白蟻
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
私
(
わし
)
の力でもちょっくり抜けない、
何
(
なん
)
でも
松脂
(
まつやに
)
か何か附いてると見えて
粘
(
ね
)
ば/\してるから、ひっついて抜けないが、これは旦那の不断差す脇差で私も能く知っております
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
初々
(
ういうい
)
しくも見えることのある地方の人の
粘
(
ね
)
ばりづよい意地でなく、江戸っ子
肌
(
はだ
)
の勝気な意地でもつ人で、だから弱々と見えるときと、
傍
(
そば
)
へも寄りつけぬほど強い時とがあって
マダム貞奴
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
ふと、正三は壮烈な気持が
湧
(
わ
)
いて来た。それから土蔵の前に近づいた。かねて赤土は
粘
(
ね
)
ってあったが、その土蔵の扉を塗り
潰
(
つ
)
ぶすことは、父の代には
遂
(
つい
)
に一度もなかったことである。
壊滅の序曲
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
崖の縁をかがっている、その白樺を押し分けて、
庇
(
ひさし
)
のように突き出た岩壁に
縋
(
すが
)
る、
櫓
(
やぐら
)
のように大きな一枚岩で、浦島ツツジが、べったりと、石の
地
(
じ
)
を見せずに、
粘
(
ね
)
ばりついているので
谷より峰へ峰より谷へ
(新字新仮名)
/
小島烏水
(著)
粘
常用漢字
中学
部首:⽶
11画
“粘”を含む語句
粘着
粘土
粘着力
粘々
粘付
粘稠
粘力
粘墨
粘着性
粘液
粘氣
粘膜
血粘
粘泥
粘液質
鼻粘膜
粘滑油膩
粘質
粘著
粘質硝子
...