“粘稠”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ねんちゅう75.0%
ねっとり25.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
暫らくすると鍋の中に、粘稠ねんちゅうな塊が出来かかった。患者は熱心にそれを見つめて、いつ自分の腕が虹になるであろうかと不思議がっているらしかった。
二重人格者 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
そうして、女子の涙が頬を伝う速度は、男子のそれよりも大きく、従って女子の涙は、男子の涙よりも粘稠ねんちゅう度が少いというような結論に到達したのであります。
新案探偵法 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
それが、群青ぐんじょうなまの陶土に溶かし込んだような色で、粘稠ねっとりよどんでいる。その水面に、みずちの背ではないかと思わせているのが、金色を帯びた美しい頭髪で、それが藻草のようにたなびいているのだよ。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)