『結婚（けっこん）』

姉の死と同時に私のところの家庭はもう久しく予期された行きづまりに到著した。残されたのは頭が悪くてもののいえない七十をこした兄と六十に手のとどく私、どうにもならない。病中は私が主婦の代役をし、お見舞にきて下さる親戚やお知合いの婦人の好意に頼っ …

著者	中勘助
ジャンル	文学 > 日本文学 > 評論 エッセイ 随筆
初出	「朝日評論　第一巻第一号」朝日新聞社、1946（昭和21）年3月1日
文字種別	新字新仮名
読書目安時間	約12分（500文字/分）
朗読目安時間	約19分（300文字/分）

作品に特徴的な語句

偶（たまた） 著（き） 落著（らくちゃく） 予（かね） 僅（わずか） 石摺（いしず） 凡（すべ） 琅玕（ろうかん） 黄疸（おうだん） 甚（はなは） 粥（かゆ） 終（つい） 綽名（あだな） 纏（まと） 聊（いささ） 肱枕（ひじまくら） 蜘蛛（くも） 角（かく） 諫言（かんげん） 貪慾（どんよく） 貰（もら） 顔回（がんかい） 乃至（ないし） 否（いな） 併（しか） 兎（と） 入魂（じっこん） 凌（しの） 凡（およ） 到著（とうちゃく） 卓子（テーブル） 吝嗇（りんしょく） 狸（たぬき） 団欒（だんらん） 孟宗（もうそう） 寐（ね） 寧（むし） 巧（うま） 新（あらた） 暫（しばら） 武張（ぶば）