『一僧』
わが知己に一人の僧ありき——世を遁れ、行ひすましぬ。ひたぶるに、祈祷を淨樂として、一念これに醉ひぐれたれば、精舍のつめたき床にたちても、膝より下の、ふくだみて、全身、石柱をあざむくに至るまで、ひるまざりき。すべてのおぼえ、うせぬるまでも、そ …
著者 | イワン・ツルゲーネフ |
翻訳者 | 上田敏 |
ジャンル | 文学 > ロシア・ソヴィエト文学 > 詩 |
初出 | 「明星 三ノ二」1902(明治35)年8月 |
文字種別 | 旧字旧仮名 |
読書目安時間 | 約1分(500文字/分) |
朗読目安時間 | 約2分(300文字/分) |