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価
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ね
ふりがな文庫
“
価
(
ね
)” の例文
旧字:
價
かれは掲示を出して、材木や石材などを買入れることから、人夫を使うことをふれさせ、何によらず高い
価
(
ね
)
を払うことにしました。
イワンの馬鹿
(新字新仮名)
/
レオ・トルストイ
(著)
それから——
遠目
(
とおめ
)
にも愛くるしい顔に疑う余地のない
頬笑
(
ほほえ
)
みを浮かべた? が、それは
掛
(
か
)
け
価
(
ね
)
のない一二秒の間の出来ごとである。
少年
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
とにかく、多少の
価
(
ね
)
うちがありそうな物はすべて一包みにして、僕はやとい車に乗った。質屋をさして車を駆けらしたのである。
耽溺
(新字新仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
食品屋へ頼むと横浜から取り寄せてくれるが
鋳物
(
いもの
)
だから
価
(
ね
)
は少し高いけれどもこれさえ一つあると、普通の火鉢で軽便に出来る。
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
与八はお松から頼まれて、御成街道の小田原屋という武具刀剣商の店へ行ってその短刀を見せると、物言わず三十両に
価
(
ね
)
をつけられました。
大菩薩峠:02 鈴鹿山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
▼ もっと見る
「この小さな
楽師
(
がくし
)
さんは、
雌牛
(
めうし
)
の
価
(
ね
)
が聞きたいというのだ。たいへん大きなやつでなくて、ごくじょうぶで、
乳
(
ちち
)
をたくさん出すのだそうだ」
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
「こちらのほうは、すこし
価
(
ね
)
が
高
(
たこ
)
うございます。こちらのほうは、すこし
安
(
やす
)
うございます。」と、おじいさんはいって、「しあわせ
人形
(
にんぎょう
)
」と
気まぐれの人形師
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
彼
(
あ
)
の
酔
(
よっ
)
ぱらっている侍が初め刀に
価
(
ね
)
を附けたが、高くて買われないで
居
(
い
)
る
処
(
ところ
)
へ、
此方
(
こちら
)
の若い侍が又その刀に価を附けた処から
酔漢
(
よっぱらい
)
は
怒
(
おこ
)
り出し
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「これはこのごろにない
掘
(
ほ
)
り
出
(
だ
)
しものだ。どうかして
道具
(
どうぐ
)
ずきなお
金持
(
かねも
)
ちをつかまえて、いい
価
(
ね
)
に
売
(
う
)
らなければならない。」
文福茶がま
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
それにしては少し脂肪が足りないやうに思はれたが、時節柄肉の
価
(
ね
)
が高くなつてゐるので、無理もないと喜劇役者は思つた。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
あの時分より電話の
価
(
ね
)
があがっているから、あれだけでは嫌だというので、それでは止めようとそのままになってしまった
松井須磨子
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
朱羅宇
(
しゅらう
)
の
長煙草
(
ながぎせる
)
で、
片靨
(
かたえくぼ
)
に
煙草
(
たばこ
)
を吹かしながら田舎の
媽々
(
かかあ
)
と、
引解
(
ひっとき
)
ものの
価
(
ね
)
の掛引をしていたのを
視
(
み
)
たと言う……その直後である……浜町の鳥料理。
開扉一妖帖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
御払
(
おはらい
)
になるなら」と少し考えて、「六円に頂いておきましょう」と
否々
(
いやいや
)
そうに
価
(
ね
)
を付けた。御米には道具屋の付けた相場が至当のように思われた。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
女は皿と銚子を眼で読んでいたがすぐ
価
(
ね
)
を云った。それは二円と少しのものであった。謙作は小銭を三円出した。
港の妖婦
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
そして北京に近くなって人の噂を聞くと、葛布の
価
(
ね
)
があがったというので、心のうちに喜んで北京へ入って旅館へいった。旅館の主人は王成の荷物を見て
王成
(新字新仮名)
/
蒲 松齢
(著)
彼らは感じのなさそうな顔のぼんやりしたふうで、買い手の値ぶみを聞いて、売り
価
(
ね
)
を維持している。
糸くず
(新字新仮名)
/
ギ・ド・モーパッサン
(著)
この頃は古い本の
価
(
ね
)
が一般にずっと高くなりました。例えば一円八十銭ぐらいの本でさがして買うと一円二十銭ぐらいのところです、ものによっては三倍以上です。
獄中への手紙:07 一九四〇年(昭和十五年)
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
ちょうどその日は
樽
(
たる
)
の代り目で、前の樽の口のと
異
(
ちが
)
った品ではあるが、同じ
価
(
ね
)
の、同じ土地で出来た、しかも
質
(
もの
)
は少し
佳
(
よ
)
い位のものであるという
酒店
(
さかや
)
の
挨拶
(
あいさつ
)
を聞いて
雁坂越
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
お鉢が
其処
(
そこ
)
に出してあるから、銘々に茶碗に
盛
(
もっ
)
て
百鬼
(
ひゃくき
)
立食
(
りっしょく
)
。ソンナ
訳
(
わ
)
けだから
食物
(
しょくもつ
)
の
価
(
ね
)
も勿論安い。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
今夜は
辻待
(
つじまち
)
の自動車や馬車が
大方
(
おほかた
)
休んで居て
偶
(
たま
)
にあつても
平生
(
ふだん
)
の四倍ぐらゐの
価
(
ね
)
を云ふので、自分等は
其処
(
そこ
)
からゆるゆると※クトル・マツセの下宿まで歩いて帰つた。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
貨幣下落以上、人間の
価
(
ね
)
だんは大下落を来した。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
銀のさじとおなじ
価
(
ね
)
よ。
まざあ・ぐうす
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
先日
(
こなひだ
)
東京美術倶楽部で行はれた水戸家の売立会には、色々
好者
(
すきしや
)
の眼を
聳
(
そばだ
)
てさせる物が、それ/″\素晴しい
価
(
ね
)
で取引せられたやうであつたが
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
が、やっと
売
(
う
)
り
価
(
ね
)
の二倍、——一円四十銭に価切った末、とうとうもう一度買うことにした。雪の夜の往来は家々も電車も何か微妙に静かだった。
大導寺信輔の半生:――或精神的風景画――
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
大原君、僕は日本人の肉食を
盛
(
さかん
)
にするため豚の利用法を天下に広めたいと思う。豚の肉は牛肉よりも
価
(
ね
)
が
廉
(
やす
)
くって
巧
(
たくみ
)
に調理すると牛肉より
美味
(
うま
)
くなる。
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
いよいよ、
兄
(
あに
)
の
持
(
も
)
っている
土地
(
とち
)
が
高
(
たか
)
い
価
(
ね
)
で
売
(
う
)
れることにきまると、
兄
(
あに
)
は、その
日
(
ひ
)
を
最後
(
さいご
)
として
圃
(
はたけ
)
をみまいました。
くわの怒った話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「宗さん、どうせ
家
(
うち
)
じゃ使っていないんだから、なんなら持っておいでなすっちゃどうです。この頃はああいうものが、大変
価
(
ね
)
が出たと云う話じゃありませんか」
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「こないだちょっとわけがあって価格評価をして貰って、私、全く先々どうなるんだろうと思ったわ。地面や家作なんてもう何の頼りにもなりゃしない。
価
(
ね
)
じゃないのね」
舗道
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
それに、織さん、近頃じゃ
価
(
ね
)
が出ましたっさ。
錦絵
(
にしきえ
)
は……
唯
(
たっ
)
た一枚が、雑とあの当時の二百枚だってね、大事のものです。
貴下
(
あなた
)
にも大事のもので、またこっちも大事のものでさ。
国貞えがく
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
中津に
只
(
たっ
)
た一軒ある
計
(
ばか
)
りだけれども、母の病気に薬の
価
(
ね
)
が高いの安いのと
云
(
いっ
)
て
居
(
お
)
られぬ。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
価
(
ね
)
に踏んでいくらになると思う、近年のように米価の変動が烈しくっちゃあ、勘定をしても
間
(
ま
)
に合わねえが、かりに一俵一両としても五千両、二両とすれば一万両という勘定になる。
大菩薩峠:36 新月の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
通ると
大
(
でけ
)
え古着屋の
家
(
うち
)
に一
枚
(
めえ
)
買いてえと思った着物が有りやしたから、
価
(
ね
)
聞いたら六百だと云いやんしたが五百五十文ぐれえには負けべえと思いやすがねえ、買ってもようがんすかね
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
ところが、驚いたことには、材木も石材も人夫もすっかりれいの商人のところへ取られてしまいました。タラス王は
価
(
ね
)
を引き上げました。すると商人は、それよりもずっと上につけました。
イワンの馬鹿
(新字新仮名)
/
レオ・トルストイ
(著)
「たわけ者
奴
(
め
)
。この鶉がどれほどの珍宝で、千両の
価
(
ね
)
があるのじゃ。」
王成
(新字新仮名)
/
蒲 松齢
(著)
風吹き
荒
(
すさ
)
み熱砂顔にぶつかる時
眼
(
め
)
を
閉
(
ふさ
)
ぎてあゆめば、
邪見
(
じゃけん
)
の
喇叭
(
らっぱ
)
気
(
き
)
を
注
(
つ
)
けろがら/\の馬車に
胆
(
きも
)
ちゞみあがり、雨降り
切
(
しき
)
りては
新道
(
しんどう
)
のさくれ石足を
噛
(
か
)
むに
生爪
(
なまづめ
)
を
剥
(
はが
)
し悩むを
胴慾
(
どうよく
)
の車夫法外の
価
(
ね
)
を
貪
(
むさぼ
)
り
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
バラーは
直段
(
ねだん
)
の
廉
(
やす
)
い処で内ロースの半分
価
(
ね
)
位でしょう。ロース肉はシチュウにすると
筋張
(
すじば
)
ってかえっていけません。
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
「
旨
(
うま
)
い、ほんとに旨いものだ。」批評家は女に接吻する折のやうに、すれずれに近寄つてみたり、馬の
価
(
ね
)
ぶみをする折のやうに少し離れてみたりした。
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
本多少佐の葬式の日は少しも
懸
(
か
)
け
価
(
ね
)
のない
秋日和
(
あきびより
)
だった。保吉はフロック・コオトにシルク・ハットをかぶり、十二三人の文官教官と葬列のあとについて行った。
文章
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「綿はどうせ——
価
(
ね
)
が価だから仕方がない。でもこれを買うために電車に乗り
損
(
そく
)
なってしまって……」
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
他所
(
よそ
)
からもいろいろな
人間
(
にんげん
)
がたくさんに
入
(
い
)
り
込
(
こ
)
んできて、
土地
(
とち
)
の
価
(
ね
)
が一
時
(
じ
)
にずっと
上
(
あ
)
がり、
兄
(
あに
)
の
持
(
も
)
っている
場所
(
ばしょ
)
は、その
中
(
うち
)
でも
町
(
まち
)
の
目
(
め
)
ぬきのところとなりましたので
くわの怒った話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
四月一日からタクシーが
価
(
ね
)
上りになりましょうし、バスもやがて今までの三区を二区にするでしょう。汽車賃は四捨五入でなくて、二捨三入で、銅貨なしのかんじょうになりました。
獄中への手紙:07 一九四〇年(昭和十五年)
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
価
(
ね
)
は
惜
(
おし
)
まぬ、ね、
価
(
ね
)
は惜まぬから手放さないか、と
何度
(
なんたび
)
も言われますがね、売るものですか。そりゃ売らない。
憚
(
はばか
)
りながら平吉売らないね。預りものだ、手放して
可
(
い
)
いものですかい。
国貞えがく
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「饅頭の方が八十文いただきます、刀はちと
価
(
ね
)
が張ります」
大菩薩峠:03 壬生と島原の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
内々
(
ない/\
)
で博士に知らせる。世の中には
蔵書狂
(
ビブリオマニア
)
といつて、どんな高い
価
(
ね
)
を払つても珍書を集めようとする
輩
(
てあひ
)
が居る。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
もう周囲一尺くらいにのびているから下駄屋さえ連れてくればいい
価
(
ね
)
になるんだが、
借家
(
しゃくや
)
の悲しさには、いくら気が付いても実行は出来ん。主人に対しても気の毒である。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
そのかわりまた、(あの安東村の紺屋の
隣家
(
となり
)
の乞食小屋で結婚式を挙げろ)ッて言うんでしょう。貴下はなぜそう
依怙地
(
いこじ
)
に、さもしいお米の
価
(
ね
)
を気にするようなことを言うんだろう。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
おれの
土地
(
とち
)
などは、
買
(
か
)
い
人
(
にん
)
が
山
(
やま
)
ほどある。こっちの
価
(
ね
)
の
付
(
つ
)
け
放題
(
ほうだい
)
じゃないか。
くわの怒った話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
何、売り
価
(
ね
)
でございますか? 今になつて考へますと、
莫迦莫迦
(
ばかばか
)
しいやうでございますが、確か三十円とか申して居りました。それでも当時の諸式にすると、ずゐぶん高価には違ひございません。
雛
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
ただ
価
(
ね
)
の
廉
(
やす
)
いのがその長処なので、俗に言う弁当料理です。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
「そこが、社会主義の世の中の
価
(
ね
)
うちだ」
ズラかった信吉
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
価
常用漢字
小5
部首:⼈
8画
“価”を含む語句
価値
高価
安価
物価
評価
代価
報道価値
廉価版
真価
無価値
価格
新聞価値
価打
廉価
価直
価切
估価
無代価
懸価
価段
...