“価直”の読み方と例文
読み方割合
かち100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
人は理想あるが故にたふとかるべし、もし実在の仮偽なる境遇に満足し了る事を得るものならば、吾人は人間の霊なる価直かちを知るに苦しむなり。
一種の攘夷思想 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
ユーモリストに到りてはおのづから其趣を異にすれども、之とても亦た隠約の間に情熱を有するにあらざれば、戯言戯語の価直かちを越ゆること能はざるべし。
情熱 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
純潔チヤスチチイより恋愛に進む時に至道にかなへる順序あり、しかれども始めより純潔なきの恋愛は、飄漾へうやうとして浪に浮かるゝ肉愛なり、何の価直かちなく、何の美観なし。