“価段”の読み方と例文
読み方割合
ねだん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その上価段ねだんが半分だと云う。柞蚕さくさんから羽二重はぶたえが織れて、それが内地の半額で買えたらさぞかろう。
満韓ところどころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
彼の新調はどこかのデパートメント・ストアの窓硝子まどガラスの中に飾ってあるぞろいくくりつけてあった正札を見つけて、その価段ねだん通りのものを彼が注文して拵えたのであった。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
彼女はそのしんとした玄関の沓脱の上に、行儀よくそろえられたただ一足の女下駄を認めた。価段ねだんから云っても看護婦などの穿きそうもない新らしいその下駄が突然彼女の心をおどらせた。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)