“ねだん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
値段38.8%
直段29.9%
価値9.0%
価段6.0%
4.5%
代価3.0%
価格3.0%
価額1.5%
値価1.5%
價値1.5%
直價1.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
やはり少し涼しそうに見えて風にでもよくそよぐやつはそれ相当に値段ねだんが高い、やはり銭相当の戦ぎようをする、というのである。
俳句はかく解しかく味う (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
見て下さい。これで韃靼人に売れば、直段ねだんはわたくしのいふ通りになります。韃靼人といふ奴は、馬の好いのを、命よりも大切にしますからね。
自分の夫のような働きのない気の小さい人に衣物の価値ねだんを話したら、さぞ驚くことであろう。よい返事をせぬにきまっていると心では思いながら、如何にも躊躇したように答えた。
頸飾り (新字新仮名) / ギ・ド・モーパッサン(著)
彼の新調はどこかのデパートメント・ストアの窓硝子まどガラスの中に飾ってあるぞろいくくりつけてあった正札を見つけて、その価段ねだん通りのものを彼が注文して拵えたのであった。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
一 買物は前以てねだんを聞き現金たるべし一厘にてもむだにならぬ様にすべし
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
「ははあ、これからいらっしゃるのでござりますか。それならば、山道三里半、車夫くるまやなどにお尋ねになりますれば、五里半、六里などと申しますが、それは丁場の代価ねだんで、本当に訳はないのでござりまする。」
湯女の魂 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
御承知かしらねえが、熊の皮には二十八通りあって、価格ねだんもいろいろあるが、これは北海道のしぐまの皮だ。
敬太郎はやむを得ず茶色になった古そうな懸物かけもの価額ねだんを想像したり、手焙のふちで廻したり、あるいははかまひざへきちりと両手を乗せて一人改たまって見たりした。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「諸君、二円五十銭じゃ言うたんじゃ、えか、諸君、熊手屋が。露店の売品の値価ねだんにしては、いささか高値こうじきじゃ思わるるじゃろうが、西洋の話じゃ、で、分るじゃろう。二円五十銭、可えか、諸君。」
露肆 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
……ぢや、お價値ねだんもお高う御座いませうね。……あたくし、大阪へ歸つたら、主人たくに話して、早速買つて來させますわ。……側へ寄つて見ると、模樣が綺麗ですこと。
見学 (旧字旧仮名) / 正宗白鳥(著)
手に取上とりあげ能々よく/\見ば鞘は黒塗くろぬりこじりぎんつばは丸く瓢箪へうたんすかしありかしらつのふち赤銅しやくどうにてつるの高彫目貫は龍の純金なりしかば直八は心に合點うなづきモシ/\道具屋さん此脇差わきざし何程いくらで御座りますハイそれは無名なれども關物せきものと見えます直價ねだんの所は一兩三分に致しませうとふを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)