“生爪”の読み方と例文
読み方割合
なまづめ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その上慣れない仕事だけに、豆をこしらへたり、生爪なまづめいだり、何かと不自由も起り勝ちだつた。彼は時々鍬を捨てると、死んだやうに其処へ横になつた。
(新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
御覧なさい、こうやって、五体の満足なはいうまでもない、谷へも落ちなけりゃ、いわにもつまずかず、衣物きものほころびが切れようじゃなし、生爪なまづめ一つはがしやしない。
薬草取 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「そりゃあお前さんの云う通りだ。万さんもなかなか慾張っているからね。ときどき生爪なまづめを剥がすことがあるのさ。そこで、あの掛地はどこの出物でものですえ」
半七捕物帳:27 化け銀杏 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)