“出物”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
でもの70.0%
だしもの30.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「そりゃあお前さんの云う通りだ。万さんもなかなか慾張っているからね。ときどき生爪なまづめを剥がすことがあるのさ。そこで、あの掛地はどこの出物でものですえ」
半七捕物帳:27 化け銀杏 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
あゝいう出物でもの著物きものが有るから買いたいと云う様な時にも、お前さんの事だから差支も有るまいが、ういう時には金円きんえん…またわたしが御相談をしても善いのだがねえ
松と藤芸妓の替紋 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
出物だしものは、例に依つて日本側とロシア側の司令官の肖像幻灯にはじまり、無名戦死者の名前が無数に列挙された。そして順次に、両国の軍隊の輸送の光景を撮つた断片的の活動写真が映写された。
サクラの花びら (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
ようやくほっと安心するのは、楽手たちが席についてからであった。それでもまだ彼は、幕が上がって、ある晩のように、出物だしものを変えると述べられはすまいかと、最後の瞬間まで心配していた。