“だしもの”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
出物42.9%
演題14.3%
演出14.3%
演物14.3%
芸題14.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ようやくほっと安心するのは、楽手たちが席についてからであった。それでもまだ彼は、幕が上がって、ある晩のように、出物だしものを変えると述べられはすまいかと、最後の瞬間まで心配していた。
この囃子を聞きながらまた圓朝は師匠に今夜の演題だしものを前で演られてしまったため、何を喋ろうかどう喋ろうかととつおいつしたときのことを、きのうのごとくおもいだして
小説 円朝 (新字新仮名) / 正岡容(著)
「それには演題だしもの——演題の選び方、立て方が大専だいせんだ。むろん、芸がから下手ぺたじゃいけないが、何よりアッといわせるような演題の案文あんもんがつかないことには仕方がない、ねえ小糸」
小説 円朝 (新字新仮名) / 正岡容(著)
なんといふ下劣な演出だしものばかりだ! 名ばかりがいかつい万国抒情人形展。
希臘十字 (新字旧仮名) / 高祖保(著)
寄ってたかって外題の当てっこを競争するようになったので、各工場の演物だしものを秘密にしたい気持から、どこか、ほかの処で稽古をするようになったらしかった。
オンチ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
七三郎の巴之丞が、洛中らくちゅう洛外の人気をそそって、弥生狂言をも、同じ芸題だしもので打ち続けると云う噂を聞きながら、藤十郎は烈しい焦躁しょうそうと不安の胸を抑えて、じっと思案の手をこまぬいたのである。
藤十郎の恋 (新字新仮名) / 菊池寛(著)