“懸価”の読み方と例文
読み方割合
かけね100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
これは文士の嘘言きょげんだと笑う者さえあろう。しかし事実はうそでも事実である。文士だろうが不文士だろうが書いた事は書いた通り懸価かけねのないところをかいたのである。
趣味の遺伝 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
というのが死んだ親父の口癖で御座いましたが、全くその通りの懸価かけねなしで、五十幾歳いくつのこの年になって、ようようの事、世間が見えて来ましたがチット遅う御座いましたナア。
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
またここまで押してみれば女の真心まごころが明かになるにはなるが、取返しのつかない残酷な結果に陥った後から回顧して見れば、やはり真実懸価かけねのない実相は分らなくても好いから
現代日本の開化 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)