“引解”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひきほど57.1%
ひきとき14.3%
ひっと14.3%
ひっとき14.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
生命いのち取留とりとめたのも此の下男で、同時に狩衣かりぎぬぎ、緋のはかまひも引解ひきほどいたのも——鎌倉殿のためには敏捷びんしょうな、忠義な奴で——此の下男である。
伯爵の釵 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
庭に向へる肱懸窓ひぢかけまどあかるきに敷紙しきがみひろげて、宮はひざの上に紅絹もみ引解ひきときを載せたれど、針は持たで、ものうげに火燵にもたれたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
もう一人、あわせ引解ひっときらしい、汚れたしま単衣ひとえものに、綟れの三尺で、頬被ほおかぶりした、ずんぐりふとった赤ら顔の兄哥あにいが一人、のっそり腕組をしてまじる……
陽炎座 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
朱羅宇しゅらう長煙草ながぎせるで、片靨かたえくぼ煙草たばこを吹かしながら田舎の媽々かかあと、引解ひっときもののの掛引をしていたのをたと言う……その直後である……浜町の鳥料理。
開扉一妖帖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)