)” の例文
新字:
はやがさめても何時いつまでもるのがいゝか、おそがさめてもむつくりきるのがいゝか、そのことで兄弟きやうだいあらそつてました。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
女郎屋ぢよらうやふわけにはかず、まゝよとこんなことはさてれたもので、根笹ねざさけて、くさまくらにころりとたが、如何いかにもつき
二た面 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ほんとうにげんげをみにて、ひとがありませうか。きつねにでもつまゝれなければ、さういふことをするはずがありません。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
二人の賓客を次の室にやすませて、瀧口は孤燈のもとに只〻一人もやらず、つら/\思𢌞おもひめぐらせば、痛はしきは維盛卿が身の上なり。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
またあきになつて、まち夫婦ふうふ去年きよねんとおなじやうに子供こどもてるとき食後しよくごなどは、しみ/″\と故郷こきやう追憶つひおくにふけるのであつた。
追憶 (旧字旧仮名) / 素木しづ(著)
乳母 またしてもお干渉せっかひやしゃります、さゝ、お就褥やすみなされませ。誓文せいもん明日あす病人びゃうにんにならしゃりませうぞえ、此夜こよひやしゃらぬと。
さる十三にちぼくひとつくゑ倚掛よりかゝつてぼんやりかんがへてた。十いへものてしまひ、そとあめがしと/\つてる。
湯ヶ原より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
ほん商賣人しようばいにんとてくらしいもの次第しだいにおもふことおほくなれば、いよ/\かねて奧方おくがた縮緬ちりめん抱卷かいまきうちはふりて郡内ぐんない蒲團ふとんうへ起上おきあがたまひぬ。
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
漸くに二人し事なれば吉之助にせる物なく其夜はみぎの三布蒲團を吉之助に着せ夫婦は夜中やちう辻番つじばんだいて夜をあかしけれども是にては主人を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
爾は女の足をひきかつぎることによりて、その素足に供養し流涕することによりて、爾の魚の大をなす所以である。
散文詩・詩的散文 (旧字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)
んだそらつきながらながめる、ひといきれからのがれた郊外こうがいたのしみは、こゝにとゞめをす……それがられない。
ねこ (旧字旧仮名) / 北村兼子(著)
「そして、ひもじいでせう、きつと。る前に何か御飯を食べさせておやりなさい。ミラアさん。御兩親を離れて、學校へ來たのは、最初はじめてなの、お孃さん?」
そして、——てはならん‥‥と、一所懸命しよけんめいかんがへてはゐながら、何時いつにかトロリとまぶたちて、くびがガクリとなる。あしがくたくたとまがるやうながする。
一兵卒と銃 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
そこ福鼠ふくねずみ身振みぶるひして、たまゝでうたはじめました『きら/\、きら/\、きら/\、きら/\、——』あまながつゞけてるので、みんながそれをおさえつけてめさせました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
勘次かんじはどうも卯平うへいいやおそろしくつてやうがないのですこ身體からだ恢復くわいふくしかけるとみんなあとでそつとけてむらうち姻戚みよりところつて板藏いたぐらの二かいかくれてた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
ほー、えれいいきほひだ、一方いつぽうでは輕氣球けいきゝゆうこしらへながら、海底戰鬪艇かいていせんとうてい豫定通よていどうりに竣成しゆんせいしたとなると、吾等われら馬鹿ばかつたあひだに、大佐閣下たいさかくかも、その水兵すいへいどもも、ないではたらいたわけだな。
「すべて朝廷の人たちは、朝は朝廷に參り、晝はシビの家に集まります。そこで今はシビがきつとているでしよう。その門には人もいないでしよう。今でなくては謀り難いでしよう」
其處には世にもつゝしみ深い女房が、もやらず平次の歸りを待つて居るのです。
成程なるほどわたくしじゆくには規則きそくまをしても何時なんどきる、おきるといふだけで、其外そのほかこれまもれ、これをおこなへといふやうな命令的めいれいてきことさらまをさないが、かはり、何事なにごと自營獨立じえいどくりつ精神せいしんめてつてもらひたい。
女教邇言 (旧字旧仮名) / 津田梅子(著)
うしみつと夜のふけゆけば草木みなにしづむらしまして墓原
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
或時あるときぼく仕舞しまつてからカテリーナ
罪と罰(内田不知庵訳) (旧字旧仮名) / 北村透谷(著)
深きを比べ難からむ、彼はねぶりておびれて
有明集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
竹柏なぎ老木おいきは、おびれの
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)
あるひは遠征隊の兵士が
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
きみしばしうたゝのまに
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)
おまけに、もえ夜具やぐぶろしきを上被うはつぱりにかけて、つゝんでた。ひとつはそれにたいする敵愾心てきがいしんくははつたので。……奮發ふんぱつした。
火の用心の事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
とうさんもその書院しよゐんましたが、曾祖母ひいおばあさんがひとりでさびしいといふときにははなれの隱居部屋ゐんきよべやへもとまりにくことがりました。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
カピ長 さらば、づおかへりあれ。なれば木曜日もくえうびめまする。……そなたまへむすめうて、當日たうじつ準備こゝろまうけをさせたがよい。……おさらばでござる。
かへつとく吉兵衞は宿やどりし山家やまがの樣子何かに付てうたがはしき事のみなればまくらには就けどもやらず越方こしかた行末ゆくすゑのことを案じながらも先刻せんこく主人あるじの言葉に奧の一間を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
そのばんあつさをはら凉雨れううた、昨夜ゆうべねこのために十ぶんられなかつたあはせに今夜こんや熟睡じゆくすゐしようとおもつた。
ねこ (旧字旧仮名) / 北村兼子(著)
れが私立しりつぼけ生徒せいとといはれゝばおまへこと同然どうぜんだから、後生ごせうだ、どうぞ、たすけるとおもつて大萬燈おほまんどう振廻ふりまわしておくれ、れはしんからそこから口惜くやしくつて
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
その夜、私はミラア先生がして呉れるやうになつてゐた。彼女は私に手傳つて着物をがしてくれた。
といふのは、水鳥みづとりが、なみうへることからうつつてて、人間にんげんにも、舟旅ふなたび夜泊よどまりの場合ばあひもちひます。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
らがなんで三百ちやうぺんひいけたんだから、らがむしやらなこと大好だえすきのがんだから、いや本當ほんたうだよ、んで腹疫病はらやくびやうくつゝいたときだつて到頭たうとうねえつちやつたかんな
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
「おい、ちやああぶないぞ‥‥」と、わたし度毎たびごとにハラハラしてかれ脊中せなかたたけた。が、瞬間しゆんかんにひよいといて足元あしもとかためるだけで、またぐにひよろつきすのであつた。
一兵卒と銃 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
たがひになんとなくつまらない、とりとめもない不安ふあん遣瀬やるせなさが、空虚くうきよこゝろつゝんでゐるやうであつた。二人ふたりいへにゐることがさびしく、よるになつてることがものたりなかつた。
追憶 (旧字旧仮名) / 素木しづ(著)
また金絲雀かなりやふるごゑで、『おかへりよ、みンな!もう時分じぶんぢやないか!』と其子供等そのこどもらびました。種々いろ/\口實こうじつまうけて、みンのこらず立去たちさつたあとには、たツあいちやん一人ひとりになつてしまひました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
ナニ、ナニ、けつして其樣そん心配しんぱい御無用ごむようです、きみ日出雄少年ひでをせうねんとはこのしま賓客ひんきやくであれば、たゞつてて、自由じゆうことをして、電光艇でんくわうてい竣成しゆんせいするまで、氣永きながつてればれでよいのです。
お濱はばんなかつたらしい顏を擧げて、斯う言ひ切るのです。
夜はしげく軍馬に來し草の原馬臭き肌のこもりかなしも
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
常陸の新治にいはり筑波つくばぎて幾夜いくよたか。
身はくたれの長姿たけすがた
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
天狗てんぐまないたといひますやうな 大木たいぼくつたのが据置すゑおいてあるんです。うへへ、わたし内外うちときぬられて、そしてかされました。
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
『そんなことをつてにいさんが威張ゐばつても、何時いつまでもにいさんのやうにたら、がさめないのもおなじことです。』
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
長庵ぬからず成程先月頃は病氣にて密通みつつう致さねどもたゞて居し處を見顯みあらはされしと云ひなほさんとするを越前守殿大音あげおのれ長庵初めは密通に及びし處を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
……おくよ、其許そなたまへむすめうて、婿むこがねパリスどのゝふか心入こゝろいれほどらせて、よいかの、つぎ水曜日すゐえうびには……いや、ちゃれ、けふは何曜日なにえうびぢゃ?
人事ひとごと我事わがこと分別ふんべつをいふはまだはやし、おさなごゝろまへはなのみはしるく、もちまへのけじ氣性ぎせう勝手かつてまわりてくものやうなかたちをこしらへぬ、氣違きちが街道かいだうぼけみち
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
あの新治にひばり近邊きんぺん筑波つくばをとほりぎて、今夜こんや幾晩いくばんたとおもふ、といはれたのです。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
やがて台所だいどころかたづけものましたおくさんはつぎかしてある子どもやう子をちよつとてくると、またちやへはいつて※て、しやうちかくにきよせた電燈でんとうの下で針仕事はりしごとにとりかゝつた。
(旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
「さうかあ、そんぢやわるかつたつけなぢいそんぢやいまえてやつかんなよ」おつぎは勘次かんじ壁際かべぎはをけから先刻さつきのよりははるかに多量たりやうふくろれてやつた。さうしておつぎは勘次かんじ尻目しりめた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)