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抱卷
本に
商賣人とて
憎くらしい
物と
次第におもふ
事の
多くなれば、いよ/\
寢かねて
奧方は
縮緬の
抱卷打はふりて
郡内の
蒲團の
上に
起上り
給ひぬ。
暖に
寢かす事ならず
豫て金二分に
質入せし
抱卷蒲團有ども其日を送る事さへ心に
任せねば
質を出す金は
猶更なく其上吉之助一人口が
殖難儀の事故夫婦は
膝を
と
母親怪しき
笑顏をして
少し
經てば
愈りませう、いつでも
極りの
我まゝ
樣、
嘸お
友達とも
喧嘩しませうな、
眞實やり
切れぬ
孃さまではあるとて
見かへるに、
美登利はいつか
小座敷に
蒲團抱卷持出でゝ